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盗月Blog——島村抱月TextData——


島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。

■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の彫刻…(27)

■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の彫刻を論ずる書 第八(1)

      第八

今以上の論を概括するときは、我等は寫實主義の動搖といふことに思ひ及ばざるを得ない。トルワ゛ルゼンの後リュード。ラウホ等には古典主義の動搖して寫實に之かんとする過渡の状態が見えてゐた如く、今シャプー。デュボア等には寫實...

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■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の彫刻…(26)

■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の彫刻を論ずる書 第七(3)

けれども彼が寫實的風格は、其の肉の刻み方及び顏の表情に溢れてゐる。『ナーシッサス』の胸より腕にかけての肉附には、所謂クラシシズムの靜的、一般的、理想的な面に見られない、動的、個的、現實的な凹凸がある。亦其顏はうつとりと水中の姿に見惚れゐ...

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■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の彫刻…(25)

■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の彫刻を論ずる書 第七(2)

ギリシアの傳説によるとナーシッサスといふ美少年が水鏡に映る己れの姿に見惚れて溺れ死んだ。其の精靈が化して花と咲いたのがナーシッサス即ち水仙花であるといふ。されば彫刻はナーシッサスが泉のほとりに立つて左の手に衣を掲げ右の手に之れを掴んで、...

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■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の彫刻…(24)

■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の彫刻を論ずる書 第七(1)

      第七

同じ結論は異つた方法によつて、デュボアが作にも加へられる。『ナーシッサス』は是れまたリュクザンブールにあつて人の眼を惹く彫刻の一つであると共に、デュボアに取つては一期を劃するの地位にある大作である。彼れは本來寫實的と...

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■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の彫刻…(23)

■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の彫刻を論ずる書 第六(5)

冷靜、端麗、完全、是等のものが尚殘存してゐて、動きかゝつて來るものを鎭めるといふ感が此の作に對する不滿足の理由である。結局寫實的元素と古典的元素との結合した状態である。古いクラシシズムに對しては進んでもゐやうが、其進んだ程度に於いて再び...

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