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盗月Blog——島村抱月TextData——


島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。

■近代文藝之研究|研究|イブセン小傳(1)

■近代文藝之研究|研究|イブセン小傳 (一)(1)

    イブセン小傳

      (一)

イブセンの生國諾威はあの通り歐羅巴の北端に位して、寒海の風濤おのづから沈欝の氣を誘ふ國柄と思はれる。イブセンは其の南方の小都會スキーンといふ所で千八百二十八年三月廿日に生まれた。
千八百二十八年といへ...

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■近代文藝之研究|研究|「五人女」に見え…(18

■近代文藝之研究|研究|「五人女」に見えたる思想 下(2)

以下、石山寺の開帳の條、水茶屋の品定めの條、吉祥寺の小坊主のくだり、神佛のお告げ等、枚擧に遑あらず。記事の卑陋にわたる箇條すら、滑稽によつて微かに之れを緩和したるの氣味あるは、げにも夫の伊太利散文の父と言はれるボッカチオが『百物語』を思ひ...

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■近代文藝之研究|研究|「五人女」に見え…(17

■近代文藝之研究|研究|「五人女」に見えたる思想 下(1)

      下

其の他西鶴が作の滑稽に至つては、徳川期の散文々學中多く類を見ないほどの妙を有してゐる。他の多くの劣等なる滑稽と異なり、言々悉く眞味を帶びて、鋭く人生の矛盾を剔抉し、しかも冷刻に落ちずして、おつとりとした中に滑稽の色を配し...

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■近代文藝之研究|研究|「五人女」に見え…(16

■近代文藝之研究|研究|「五人女」に見えたる思想 中(8)

其の松風の吹く曉、いやな夢心地のあとの氣持はどんなであつたらうか。みじめなる快樂、哀れつぽい人世の感は、殘なく此等の情景に描き出だされてゐる。
尚ほ近松の『戀八卦柱暦』と西鶴のおさん茂右衞門との比較については、同じく『風雲集』中の論文で、...

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■近代文藝之研究|研究|「五人女」に見え…(15

■近代文藝之研究|研究|「五人女」に見えたる思想 中(7)

兎角世にながらへる程つれなき事こそまされ、此の湖に身を投げて長く佛國のかたらひ、といひければ、茂右衞門も、惜しからぬは命《いのち》ながら、死んでの先は知らず、思ひつけたる事こそあれ、二人都への書置殘し、入水せりといはせて此所をたちのき、い...

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