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盗月Blog——島村抱月TextData——


島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。

■近代文藝之研究|研究|イブセン小傳(39)

■近代文藝之研究|研究|イブセン小傳 (五)(9)

此所には人みな胸を開き身を伸して闊歩し、思ふまゝを直言して憚らざるを得べし。而して此のわかく強健なる國民の中より二人の作家出で、アポロの笑みの前に月桂冠を額に戴きたり。其の一人ブョルンソンに關しては、英人は既によく知れり。彼れは祖國生活の幸福輕快...

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■近代文藝之研究|研究|イブセン小傳(38)

■近代文藝之研究|研究|イブセン小傳 (五)(8)

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今ミユンヘンに中年なる一人の諾威紳士住めり。快活なる此の都市の群衆間に出入して、人に氣づかるゝこと稀れに、引き籠もり勝にて、想ひに耽る無邪氣の人物なり。折々彼れは一卷の原稿をコーペンハーゲンに送るを見る。
同時に丁抹の新聞...

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■近代文藝之研究|研究|イブセン小傳(37)

■近代文藝之研究|研究|イブセン小傳 (五)(7)

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第一、宗教に關するもの、すなはち宗教を超自然と信ずるものと之れを自然と信ずるものとの爭ひ。第二、過去と未來との對照に關するもの、すなはち老と若、古と新兩代の爭ひ。第三、社會の階級に關するもの、すなはち高下、貧富、勢力無勢力...

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■近代文藝之研究|研究|イブセン小傳(36)

■近代文藝之研究|研究|イブセン小傳 (五)(6)

之れに對して、少なくとも斯くの如き哲學を生ずべき原因は彼れが性向の中に存してゐると見て、而して此れに論を止めて、必ずしも之れを哲學化し普遍化することを敢てしない觀方が第四の説である。此の説に從へば、人生が果たして一般に厭世的であるか否かは知らぬが...

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■近代文藝之研究|研究|イブセン小傳(35)

■近代文藝之研究|研究|イブセン小傳 (五)(5)

此の説に近い見解を持する人の一例は、『戀の喜劇』『ブランド』等の譯者ハーフォード氏である。氏は其の譯書の序文に於いて、イブセンの戀愛の自由は結局此の世以上に超脱すること、即ち肉界を逃るゝことによりて始めて全くせらるべきものであると解した。此に至れ...

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