■近代文藝之研究|研究|沙翁の墓に…(24)
- カテゴリ: その他
- 2011/09/06 22:48:57
■近代文藝之研究|研究|沙翁の墓に詣づるの記 八(1)
八
ホテルの客は二十人の上に出でゝ食堂は中々の賑ひである。我等は今一人亞米利加に育つて、獨乙に長くゐたといふ、五十左右の元氣《げんき》な婦人を加へて、四人|片隅《かたすみ》のテーブルに席を占めた。
今日《けふ》の話題《わだい》は...
島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。
■近代文藝之研究|研究|沙翁の墓に詣づるの記 八(1)
八
ホテルの客は二十人の上に出でゝ食堂は中々の賑ひである。我等は今一人亞米利加に育つて、獨乙に長くゐたといふ、五十左右の元氣《げんき》な婦人を加へて、四人|片隅《かたすみ》のテーブルに席を占めた。
今日《けふ》の話題《わだい》は...
■近代文藝之研究|研究|沙翁の墓に詣づるの記 七(2)
別けてゆかりは此の川の白鳥《はくてう》である。ベン、ジョンソンがいはゆる「エヴンの美《は》しき白鳥《はくてう》」こそは去つて繼ぐものも無けれど、まだ肌寒い川風に羽を掻く鳥の風情は、今も昔のまゝであらう。
「あすこにシヱークスピーア[#「ヱ」は...
■近代文藝之研究|研究|沙翁の墓に詣づるの記 七(1)
七
川に沿ひ寺を圍《かこ》んだ廣い墓地には、楡《にれ》の大木《たいぼく》が所々《ところ/″\》に蔭《かげ》をなして、細工を凝らした花壇や、硝子箱に入れた造花《つくりばな》の仰々《ぎやう/\》しい新墓《あらはか》の脇を...
■近代文藝之研究|研究|沙翁の墓に詣づるの記 六(4)
「さうですね、それは、ちやうど今の前《さき》私《わたし》が此の墓石を見てつく/″\と感じてゐた所と一致した一つの感じですが、言はゞ、藝術は如何なるものをもブライトにする、藝術の標徴はブライトネス、プロスペリチー、プレジュラブルネス...