■近代文藝之研究|時評|『蒲團』を評す(3)
- カテゴリ: その他
- 2013/02/12 21:03:10
■近代文藝之研究|時評|『蒲團』を評す (3)
奇態なのは此の自然主義の後に理想派が起こつて、それが舊硯友社風の復興だらうと夢想する人のあることである。ルナンが理想哲學の後に文壇の神秘主義起こるといふペアリング式の論法から言へば、理想派といふに難はないとしても、硯友社風を比較に取るに至つては大に難儀...
島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。
■近代文藝之研究|時評|『蒲團』を評す (3)
奇態なのは此の自然主義の後に理想派が起こつて、それが舊硯友社風の復興だらうと夢想する人のあることである。ルナンが理想哲學の後に文壇の神秘主義起こるといふペアリング式の論法から言へば、理想派といふに難はないとしても、硯友社風を比較に取るに至つては大に難儀...
■近代文藝之研究|時評|『蒲團』を評す (2)
無い譯の批難を強いて加へやうとする所に種々の滑稽が演ぜられる。自然主義、はいいが何だか氣に喰はぬ、今に飽きられるだらう、屹度見てをれ、一年とば續かぬから、などゝ五寸釘でも打ち込みさうなものがあるかと成へば、ぐつと高くとまつて、おれ等が見れば小供のいたづ...
■近代文藝之研究|時評|『蒲團』を評す (1)
『蒲團』を評す
僕は自然主義賛成だ。少くとも今のところ、日本の文壇では是れが一番新しい趣味だ。いや端緒は以前からあつたかも知れぬが、小説界に明白に乘り出して來たのは新しい〓[#「こと」合略仮名]だ。ユイスマンで一轉しかけた、ブールゼーで反對に...