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盗月Blog——島村抱月TextData——


島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。

■近代文藝之研究|講話|英國最近の繪畫…(5)

■近代文藝之研究|講話|英國最近の繪畫に就て (5)
次でに此人の癖を一寸申して見ますと、此人は寫すべき人を向へ据へて肖像を描くに最初の間ニ三度は必ずムダ[#「ムダ」に傍点]をさせる、又た筆を執つて其人の前に立ても氣が進まないと筆を抛て洋琴などを彈き始めて、自分の氣分が恢復して來てから取りかゝるとい...

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■近代文藝之研究|講話|英國最近の繪畫…(4)

■近代文藝之研究|講話|英國最近の繪畫に就て (4)
それで此人の肖像畫風は、例のダッチ・スクール即ち和蘭派の肖像畫の系脈ともいふべきで背景其他の全體を極黒ずんだ力と重みを專一にしたやうなライト・エンド・シェードの使い方である、又近世肖像畫の泰斗といへば西班牙のワ゛エラスケスも其一人であるが、サーゼ...

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■近代文藝之研究|講話|英國最近の繪畫…(3)

■近代文藝之研究|講話|英國最近の繪畫に就て (3)
此人の出世作といはれる畫は今から二十年ばかり前に描いた「カーネーション・リリー・リリー・ローズ」といふのであつて、其年のローヤル・アカデミーに大喝采を博したものである、これは友人なる或る畫家の家で二人の少女が提灯を點して花園で遊んで居た、それを見...

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■近代文藝之研究|講話|英國最近の繪畫…(2)

■近代文藝之研究|講話|英國最近の繪畫に就て (2)
で前申したローヤル・アカデミーは今から丁度百三四十年前に創立せられて、帝室保護の下に隨分時としては不公平な處置もあつたのでせう、ソコで夫から五十年ばかり經てこれに反抗して起つたのが即ち右にいつた英國美術家協會展覽會である、此方もローヤル・アカデミ...

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■近代文藝之研究|講話|英國最近の繪畫…(1)

■近代文藝之研究|講話|英國最近の繪畫に就て (1)
    英國最近の繪畫に就て
英吉利に於る繪畫界の最近の事に就て少しお話しをいたさうと思ひます。英吉利には例の如くナショナル・ガラリー即ち國民畫堂といつて宏大なものが倫敦にある、で古今内外の名畫を隨分澤山に蒐めて居る、佛蘭西のルーブルに比べては劣...

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