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盗月Blog——島村抱月TextData——


島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。

■近代文藝之研究|講話|ピネロ作……(7)

■近代文藝之研究|講話|ピネロ作「二度目のタンカレー夫人」 (7)
さてピネロは「福蜘蛛」の後、一八九三年に「二度目のタンカレー夫人」を出すまでの間、二十四篇の作を有し、又其後最近までに七八篇の作を出して居るが、例へば一八七一年に書いた「郷土」、一八九〇年に出た「復興」、「女校長」、「ダンデヰー・デ...

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■近代文藝之研究|講話|ピネロ作……(6)

■近代文藝之研究|講話|ピネロ作「二度目のタンカレー夫人」 (6)
一八七〇-八〇年頃英吉利の劇壇を司配して居つたコンヴェンショナリズムの喜劇的嗜好はピネロをして「福蜘蛛」の如き材料にすら、強て光明的の結末を附するの止むを得ざるに到らしめた。それは成程實際世界に於て殊に英吉利の如き道徳の進んだ社會に...

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■近代文藝之研究|講話|ピネロ作……(5)

■近代文藝之研究|講話|ピネロ作「二度目のタンカレー夫人」 (5)
其一番主もなる理由は元來世の多數衆俗といふものは、一日頭や身體の疲れる仕事をして、夜分にでも劇場に行つて笑つて一日の勞を息めやうといふのであるから、好んで肩の凝るやうな藝術を味ふことなぞは出來ない、是れが現時の大都會の形勢であらう。...

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■近代文藝之研究|講話|ピネロ作……(4)

■近代文藝之研究|講話|ピネロ作「二度目のタンカレー夫人」 (4)
それで其の評の仕方がおもしろいと思ふから茲に掲げて見よう、曰く此の「福蜘蛛」の筋に付いて作者の根本の思想は、茲に若い夫婦があつて、其夫には死んだと思つた先妻がある、それが意外にも尚生きて居た爲に葛藤を生ずるといふのであるから、斯樣な...

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■近代文藝之研究|講話|ピネロ作……(3)

■近代文藝之研究|講話|ピネロ作「二度目のタンカレー夫人」 (3)
然るに一八七七年渠は二十三歳の頃始めて作者としての生活を始めた。勿論俳優としての傍に書いたのではあるが、其初めての作は「一年二百ポンド」と題する作であつて、それは倫敦の世界座のために書いたのである。これは極く短いものであるが、また其...

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