■近代文藝之研究|講話|ピネロ作……(20)
- カテゴリ: その他
- 2013/11/06 22:58:52
■近代文藝之研究|講話|ピネロ作「二度目のタンカレー夫人」 (20)
彼の女は、オー、と愕きの叫びを殘したま〓[#踊り字「二の字点」]部屋を出で去らうとする。パウラはエリーンの今の言に得堪へず、出で去るエリーンの腰の邊りに手をかけて引戻す、そして今の言は何を理由にして言つたかと聞くと、エリーンはそれ...
島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。
■近代文藝之研究|講話|ピネロ作「二度目のタンカレー夫人」 (20)
彼の女は、オー、と愕きの叫びを殘したま〓[#踊り字「二の字点」]部屋を出で去らうとする。パウラはエリーンの今の言に得堪へず、出で去るエリーンの腰の邊りに手をかけて引戻す、そして今の言は何を理由にして言つたかと聞くと、エリーンはそれ...
■近代文藝之研究|講話|ピネロ作「二度目のタンカレー夫人」 (19)
エリーンはそれを聞て、それは父上の無理である、人間は生れながらにして善惡二つながらに觸れて判斷する本能を持て居るのであるから、それから離して置かうといふのは出來ないことでせうといふ。此邊が一種の哲學に入つて居る處である。オープレー...
■近代文藝之研究|講話|ピネロ作「二度目のタンカレー夫人」 (18)
父は尚も賺して其理由は聞かない方がお前の利益であるから、自分の胸の苦しさを察して斷念してくれといふ。エリーンは、それでは明日の朝アーデールに逢つて疑點を當人に辯護さしてくれといふ。父はこれに對して、併しアーデール大尉は最早茲所には...
■近代文藝之研究|講話|ピネロ作「二度目のタンカレー夫人」 (17)
其所へ娘のエリーンが入つて來る。夫妻はぎよつとして振り向くと、娘も一寸おど/\した樣子で、何事か起つたのですかと聞き問ふ。茲に於てパウラは最早席に得堪へずして此室を出て行つて了ふ。エリーンは其擧動に不審して、父に向つて、パウラはア...