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盗月Blog——島村抱月TextData——


島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。

■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の繪畫…(28)

■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の繪畫を論ず 六(2)

畢竟時勢が段々平民的になつて、大美術の複製がどし/\一般に行きわたつて、溢れて、遂に一部の趣味を疲勞させた。この疲勞の發現が彼等の藝術となつた。努力することを避け、考へることを避けて簡易に作をしやうとする。バーンジョーンスがホヰツスラーの藝術...

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■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の繪畫…(27)

■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の繪畫を論ず 六(1)

        六

今一つ最後の例としてホヰツスラー乃至其の黨與に對する近時の代表的批難を擧げれば、それは即ち前掲クック氏の『藝術に於ける無政府主義』である。其の大意を摘むと、ホヰツスラーの反動的藝術(Reactionary art)はあら...

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■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の繪畫…(26)

■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の繪畫を論ず 五(6)

ラスキンは彼れを罵つて、繪具皿を公衆の面前に投げ出し、それを畫と呼ぶものだと言つた。負けてゐないホヰツスラーは之れを、名譽毀損として法廷に訴へ、勝訴となつて一ファーシクグ即ち一錢の損害賠償を受けると共に破産した。續いてラファーエル前派の勇將で...

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■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の繪畫…(25)

■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の繪畫を論ず 五(5)

ホヰツスラーの自然に之く立場と、併せて其の畫面の趣が此の文で窺はれる。彼れの風景畫は、夢のやうな夜の調子を現はすに最も妙を得て、全幅たゞ蒼や灰の一色の裡に、影のやうに黒い丘や建物の輪廓が浮ぶ、黄いろい燈火が三點五點、覺束ない脈搏のやうに調子を...

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■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の繪畫…(24)

■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の繪畫を論ず 五(4)

 やがて夕暮の靄がヴェールのやうに詩で以て川岸を包んで了ふと、見すぼらしい建物はひとりでに薄暗い空に消え込んで、高い烟突がイタリー風の鐘樓になり、貨物庫はそのまゝ夜の宮殿で、町全體が天空に懸り、神仙郷が我等の前に見はれて來る。旅人は家へと急ぐ...

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