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盗月Blog——島村抱月TextData——


島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。

■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝(35)

■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝 第七(5)

畫家はすなはち易きに就いて眼を俯しにせしめ、感情を隱して其の光りを消し、以て僅かに其の神々しさを保たんとせるなり。一切の感情を活かして、直ちに神に合わせんとするは、積極たり。之れを消して神に合わせんとするは、消極たり。眼を伏せて感情の窓を閉づるも...

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■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝(34)

■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝 第七(4)

其の情は明かに説きがたきも、譬へば我が體漸く虚靈となつて、永久無限の邊に導かれ行くが如く、優しく、心細く、物哀れなる心地となるにあらずや。是れ凡て大なる宗教畫が有する一作用にして、畫家の宗教的感情が、おのづから光澤となつて、畫面に流れ出でたるなり...

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■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝(33)

■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝 第七(3)

全局の調子はたしかに人間化したり。されど、人間化して、尚ほそこに神的清淨あらば、是れ神と人との和合にはあらずや。隔絶不可思議を許さずして、むしろ之れを人間に引き下さんとせるは、やがて近世思潮の意義なり。神人一致、、語は古けれども、意は常に新たにし...

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■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝(32)

■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝 第七(2)

青、赤、黄、白、茶、橄欖等の色の鮮やかにして、而も沈痛の氣を失はざる、脚下及び周圍の群のおのづから尋常の物ならずと思はるゝ、是等は茲にくだくだしく言ふ迄もなかるべし。最も驚かるゝは、此の聖母が顏なり。中にも其の眼こそ世界の不思議といふべけれ。
サ...

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■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝(31)

■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝 第七(1)

      第七

第三期のラファエロは、獨逸ドレスデンの畫堂にある、サン、シストーのマドンナを以て、遺憾なく表出するを得べし。此の畫は、彼れが死する前二年、千五百十八年の作と傳へられ、或る評家は、之れを以てラファエロが一代の聖母像中最も傑出せる...

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