■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝(25)
- カテゴリ: その他
- 2010/05/23 07:29:55
■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝 第六(1)
第六
ダンテの影去りて、赤き道には登場の人しばし荒んだり。と見る間に、後れて來たりし青き道の人數も、今は一散に...
島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。
■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝 第六(1)
第六
ダンテの影去りて、赤き道には登場の人しばし荒んだり。と見る間に、後れて來たりし青き道の人數も、今は一散に...
■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝 第五(4)
後は語らずもがな。十六年の雨風、卑怯なりし我れよ、女々しかりし我れよ、はた思ひ迫つては遣る瀬もなかりし我れ、薄倖にして多感なりし我れ。我れはたゞ失望、憂愁の雲に鎖されて、後世『ヱ゛ルテル』のゲーテ『チャイルド、ハロールド』のバイロン等と一つ思ひに...
■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝 第五(3)
九年は仇と過ぎて、二たびベアトリチェに巡り會ひしは、十八の春、フヰレンチェの町に人の往き來も繁き頃なりし、此の婦人、われには尋常の人蓄とも思はれず。天人などにやあらん。此の日は純白の粧ひして、二人の年長けたる婦人を左右に伴へり。我れは、はたと彼等...
■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝 第五(2)
ベアトリチェの父が春の宴には、我が父も列なれり。我れは父の跡につゞきて、奧なる客室に導かれしが、此の時客は既に半ばをも越えたりと覺ぼしく、歡聲笑語湧き立ちて、窓の前に相對するもの、隅なる安樂椅子に身を横たふるもの、卓を圍みて座するもの、立つて室内...
■近代文藝之研究|研究|囚はれたる文藝 第五(1)
第五
「されども我れは單に概般の理を語れり、更にかの赤き雲の道行く我が姿を見られよ。窶れたらずや。我が煩悶は闇黒不快の世より出でゝ早く光明自在の天地に到らんと願ふにあれども、斯かる願の本となりて、打つとも踏むとも變るまじき、大地の如...