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盗月Blog——島村抱月TextData——


島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。

■近代文藝之研究|研究|藝術と實生活の…(26)

■近代文藝之研究|研究|藝術と實生活の界に横たはる一線|七 (1)

        七

之れに對して藝術活動は消極的には、自己の利害感と距たり、從つて其の一局部から來る快苦感と距たる。一向的でなく執着的でない。他の方面は前に論じた無關心、沒利害の思想で代表せられる。カント以來幾多の思索家が頭を支...

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■近代文藝之研究|研究|藝術と實生活の…(25)

■近代文藝之研究|研究|藝術と實生活の界に横たはる一線|六 (4)

けれどもただ一圖に此の事を中心にやきもきと胸のみ忙しい状態に執着する、一筋途を狹く執ねく追うて行く。家に歸りついてそつと目ざす室を窺ふと、居ない筈の音樂家が深夜に正しく妻と二人きり差し向かひで居る。嫉妬、憤怒、凡て自己に有害な活動...

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■近代文藝之研究|研究|藝術と實生活の…(24)

■近代文藝之研究|研究|藝術と實生活の界に横たはる一線|六 (3)

而して斯やうな實行的活動は、當然の性質として一局部的である。實行して實際的効果に達しやうと全力を之れに集中する結果、其の部面乃至之れと密接の關繋ある部面だけが意識の眼界に入つて來る。そして一局部から一局部へと結果の階段を逐うて移動...

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■近代文藝之研究|研究|藝術と實生活の…(23)

■近代文藝之研究|研究|藝術と實生活の界に横たはる一線|六 (2)

之れを要するに、如何にしてか藝術を優長長閑な遊び事といふ成心から脱せしめんとするのが、近世に於ける藝術觀の一傾向である。
さらば吾人が藝術を實生活から分かつ境界は何れにあるか。之れを作る上及び之れを鑑賞する上に於いて、醇藝術的にな...

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■近代文藝之研究|研究|藝術と實生活の…(22)

■近代文藝之研究|研究|藝術と實生活の界に横たはる一線|六 (1)

         六

以上で、藝術が沒努力的な閑事業といふ意味で實生活から分かれるので無い理由は明かだと信ずる。而して其の藝術が沒努力でなく閑事業でない所以は專ら藝術本能即ち動機の上から説明せられたが、更に之れを結果の上から言つ...

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