■近代文藝之研究|研究|藝術と實生活の…(21)
- カテゴリ: その他
- 2010/02/10 00:18:34
■近代文藝之研究|研究|藝術と實生活の界に横たはる一線|五 (5)
併しながら是れではまだ至極と見られない。少なくとも吾人にはまだ此の上が考へられる。第一之れを觀者讀者の側に移して考へた時、他人の自己表現が何の爲め我れに價値を生ずるか。また作者の側から言つても、單に自己を表現さへすれば、果たしてそ...
島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。
■近代文藝之研究|研究|藝術と實生活の界に横たはる一線|五 (5)
併しながら是れではまだ至極と見られない。少なくとも吾人にはまだ此の上が考へられる。第一之れを觀者讀者の側に移して考へた時、他人の自己表現が何の爲め我れに價値を生ずるか。また作者の側から言つても、單に自己を表現さへすれば、果たしてそ...
■近代文藝之研究|研究|藝術と實生活の界に横たはる一線|五 (4)
人間は自己を表白せんとする本能的衝動を有してゐる。藝術の成る動機が即ち是れである。斯う見る説は比較的よく藝術本能の實状に適合する。唯一圖に其の品を其の品らしく作らうとする努力は、他面から言へば自己中に所有してゐる感想を其のまゝ減殺...
■近代文藝之研究|研究|藝術と實生活の界に横たはる一線|五 (3)
(7)交通衝動(Impaise to Communicate)即ち思想感情を交通せんとする本能が藝術の本だといふにある。是れは專ら言語學側と連續して説かれる。
(8)心靈具體本能(Desire to Obtain an Image...
■近代文藝之研究|研究|藝術と實生活の界に横たはる一線|五 (2)
(3)遊戯衝動(Play-Impalse)がやがて藝術本能である。此の説の意は前來の論で略察せられやう。
(4)秩序本能(Instinct for Order)といふものが人間にはあつて是れで我々の發散する力を調整せんとする、是れ...
■近代文藝之研究|研究|藝術と實生活の界に横たはる一線|五 (1)
五
そこで小乘と見るところの藝術本能(又藝術衝動 Art-impulso)とは如何なるものかといふに、唯其の品が思ふ存分に作りたい、觀たい、是れだけの性に過ぎない。藝術發作の動機である、起源である。而して是れを一...