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盗月Blog——島村抱月TextData——


島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。

■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値(39)

■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値|七 (2)

また美を眞の方便とするものでも、それが誠の藝術家である限り、最初の動機の如何に拘らず、筆を執つて紙に莅んだ瞬間からは藝術的態度に入らざるを得ない。即ち己れが個人として社會を思ひ、科學を慕ふ一念は、しばらく其の方便として撰んだ眼前の材料を活描せんと...

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■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値(38)

■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値|七 (1)

然るに今若し見地を一飜して考へると、文藝を有價ならしめ嚴肅ならしめんがために眞を加へるのでなくして、逆に、此等の眞が發揮したくてたまらない。社會改革の念、科學發展の志、世相暴露の望抑えがたく、それが發して此の種の文藝となつたとも解せられる。此の場...

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■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値(37)

■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値|六 (5)

更に之れを事實に近づけて言へば、たゞ遊び事をして人に娯樂を與へてゐるやうな藝術では、無意識で、劣等であるやうに思はれて、眞面目にやる氣がしない。もつと嚴肅な意義が見出したい、そこで人生の眞相を露呈せしめやう、科學の眞理を敷衍しやう、社會問題を研究...

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■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値(36)

■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値|六 (4)

今自然主義の場合に之れを當てはめると、其の所謂眞が含む道徳的意義も此の意に於いて是認せられる。茲では畢竟實際的意義が眞といふ名を被つて快樂と相擁して以て美の要求を全うせんとするものである。自然主義は文學をして道徳應用の門に降らしめた者では無い。眞...

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■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値(35)

■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値|六 (3)

また實際的意義である、併しながらそれが其のまま快樂であり、懷かしく忘れ難いものでなくてはならぬ。此の境を吾人は先づ大まかに美と名づける。されば美は一體であるが、其の判斷評價を分解するときは、常に二元的傾向を有する。一方には快樂の度で藝術に高下の品...

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