■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(17)
- カテゴリ: その他
- 2009/07/19 03:33:51
■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|二 (10)
最後に、クラシシズムの特質現實的といふことの反動は空想的または超現實的といふことになる。現實平明の境の無味なるに飽いて、大に空想の欲を逞しうせんとする。必然の結果は時代に於いても場處に於いても現實を超越するに如くは無いことゝなる。時代に於...
島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。
■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|二 (10)
最後に、クラシシズムの特質現實的といふことの反動は空想的または超現實的といふことになる。現實平明の境の無味なるに飽いて、大に空想の欲を逞しうせんとする。必然の結果は時代に於いても場處に於いても現實を超越するに如くは無いことゝなる。時代に於...
■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|二 (9)
續いてはクラシシズムの形式的といふことから直ちに内容的といふことに反り來たつて、之れを客觀の對境に求めれば理想的となり、之れを主觀の我れに求めれば自我的となる。外形の空虚なるを去つて一指直ちに充實した中心の骨髄に觸れんとする。其の骨髄を向ふ...
■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|二 (8)
而してビーアス氏は此の主義が包括する諸概念を數へて、情緒の強烈、繪樣なるものに感じ易き事、自然の景を愛する事、隔たりたる時代場處に對する興味、不思議神祕に對する好奇心、主觀的なる事、抒情的なる事、自我の挿入、熱心なる新藝術の實驗等とした。以...
■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|二 (7)
今試みに西人が漫然數へ上げたロマンチシズムの諸解釋中最も一見に便宜な例として『十九世紀英國ロマンチシズム史』の著者ビーアス氏(Beers)の説を引くと、其の意に曰はく、フランスの批評家ブルンチエールは其の文學史で女文豪マダム、ド、シュテール...
■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|二 (6)
ロマンチシズムといふ語の内容は今以て不確定である。十九世紀當初の精神界に見えた新機運は凡て之れをロマンチシズムと呼ぶ。或る者は之れをメデヰーワ゛リズム(Medievalism)即ち中古主義と解して、スコツト等が歴史小説の如きを其の例とする。...