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盗月Blog——島村抱月TextData——


島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。

■近代文藝之研究|研究|美學と生の興味(39)

■近代文藝之研究|研究|美學と生の興味|下 生の増進と美|一 (7)

第四に數ふべきは、現に美中の或部分が生活作用そのものから成立するといふ事である。フランスのギヨーがスペンサー等の生活分離説に反對した有名な實感説はその例である、即ち或る境に於いては、我れの生活を助ける作用が直ちに美になると見...

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■近代文藝之研究|研究|美學と生の興味(38)

■近代文藝之研究|研究|美學と生の興味|下 生の増進と美|一 (6)

或時は最上善即ち美なりと見、或時は神即ち美なりと見、或時は眞理即ち美なりと見、或時は科學即ち美なりと見る。要するに皆功利に美を近づけんとするものに外ならぬ。吾人は此の傾向の底に、否みがたい人間の本面目が潜んでゐると信ずる。一...

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■近代文藝之研究|研究|美學と生の興味(37)

■近代文藝之研究|研究|美學と生の興味|下 生の増進と美|一 (5)

次に第三第四は現在にわたつての事實であるが、まづ第三として擧ぐべきは、所謂理想派美學思想の多くが、古來一つの重要な暗示を有してゐる。それは人間の本性が、あらゆるものを生の要求と分離することを欲せぬといふことである。生と縁遠く...

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■近代文藝之研究|研究|美學と生の興味(36)

■近代文藝之研究|研究|美學と生の興味|下 生の増進と美|一 (4)

而して此の石刀の柄の彫り物は純實用、純功利、後藤が〓[#「木」+「霸」]の彫り物は純美術純遊戯とすれば、此の間の矛盾は何うして解くか。そこに進化があり歴史があらう。美の完全な説明は此の進化、此の歴史を究めた後でなくては出來ぬ...

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■近代文藝之研究|研究|美學と生の興味(35)

■近代文藝之研究|研究|美學と生の興味|下 生の増進と美|一 (3)

此の二ヶ條は少なくとも過去に於ける文藝美と功利とは關係を密接ならしむる重要の事實である。現在に於いては或は美と功利とは分離してゐるかも知れぬが、少なくとも過去に於いてはそこに何等かの密着作用があつたのではないか。若し是れあり...

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