■近代文藝之研究|研究|美學と生の興味(24)
- カテゴリ: その他
- 2009/05/18 18:34:07
■近代文藝之研究|研究|美學と生の興味|中 遊戯説|一 (3)
一は變化的で一は不變的、一は我等が生命と呼ぶものに現はれ、一は我等が形態と呼ぶものに現はれる、而して此の兩面の調和した所に第三の本能を生ずるのが即ち遊戯本能(Spieltrieb)である。茲では肉體と理性とが合一する。之れを名づけ...
島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。
■近代文藝之研究|研究|美學と生の興味|中 遊戯説|一 (3)
一は變化的で一は不變的、一は我等が生命と呼ぶものに現はれ、一は我等が形態と呼ぶものに現はれる、而して此の兩面の調和した所に第三の本能を生ずるのが即ち遊戯本能(Spieltrieb)である。茲では肉體と理性とが合一する。之れを名づけ...
■近代文藝之研究|研究|美學と生の興味|中 遊戯説|一 (2)
美學史上に有名な見解の一つは、夫の遊戯説である。此の説の起原は從來ドイツのシラーにあるとせられてゐたが、近來は更に夫の『批評原理』の著者でロード、ケームズと呼ばれるホームに其の先聲を歸する。而して遊戯説の要は、人間に生活力の餘贅あ...
■近代文藝之研究|研究|美學と生の興味|中 遊戯説|一 (1)
中 遊戯説
一
生は人間の第一義である。前回の文に於いて吾人は此の意を述べた。而して生を中心にしてあらゆる事物を考へる状態を、廣い意味で實際的功利的といふ。今若し人生一切の事象は其の存立する...
■近代文藝之研究|研究|美學と生の興味|上 生の哲理|五 (4)
たゞ斯くの如き自覺を伴ふの快感は現實の生活に於いては容易に得られぬ。其の發現の局部に拘泥して處置せざるを得ざる實行界の要望、滿足、快感は其の局部のみにして直ちに次の過程に滑り入り、生そのものゝ根抵と交渉するの餘裕を許さぬ。剩さへ...
■近代文藝之研究|研究|美學と生の興味|上 生の哲理|五 (3)
此所に至れば生の増進永續はまた快の増進永續となり、生の哲理はまた快の哲理とならざるを得ない。生の興味に基礎を置く學説は、いはゆる快樂説と密に接續する。快樂説の道徳上の嫌は、主として其の浮靡遊惰に連なるにあれども、快樂の眞義は決し...