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盗月Blog——島村抱月TextData——


島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。

■近代文藝之研究|時評|文學入門者に(12)

■近代文藝之研究|時評|文學入門者に (三)(1)
      三
次に此の研究の次第は修養といふことに及ぶ、文學者たるべき人は如何なる修養をなすべきか。文學の研究、文學の修養といふことは何時でも矛盾した意味を伴ふ。研究修養といふものは兎角知識上の活動を多分に含む、然るに文學は感納するものであつて、...

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■近代文藝之研究|時評|文學入門者に(11)

■近代文藝之研究|時評|文學入門者に (二)(7)
圓滿性とはいへ、批評家たるべき人の要する圓滿性は、作家たるべき人の要する特性と同意味に於て所謂聖人君子が有する圓滿性とは一寸違つた所がある。その點でいふと批評家もやはり作家と同じく、物の根本を直觀する力があり、情を以つて物を温めるといふ如き力を有す...

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■近代文藝之研究|時評|文學入門者に(10)

■近代文藝之研究|時評|文學入門者に (二)(6)
此れは寧ろ圓滿性平等性の發達した人であつて、此の方面の人は作家としては往々にして不適當な場合が多いと思ふ。かゝる傾向の人で特に情方面の傾を有する人、或は境遇上文學者たるべき地位に在た人は却て批評家といふ側に行く方が適當な場合が多い。然しながら批評家...

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■近代文藝之研究|時評|文學入門者に(9)

■近代文藝之研究|時評|文學入門者に (二)(5)
今までは理《ことわ》りなくして人の言ふことを眞とし、習慣を眞とし、心の底より頻りに出で來らんとするものを却つて罪惡として撲滅せんと考へて居た。然し是は決して撲滅すべきではない、却て是を自覺して特性として擴張すべきものである。大膽な眞面目態度を以て發...

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■近代文藝之研究|時評|文學入門者に(8)

■近代文藝之研究|時評|文學入門者に (二)(4)
だから文學者として最後の勝利を得るものははつきり[#「はつきり」に傍点]と自己の特色を持つて他の何人も模すことを得ざる個的《インヂヒヂアル》の、性格である作家の個性の優劣即ち文學の優劣となる傾向を有して居るのである、此點から見ても文學者たらんとする...

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