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盗月Blog——島村抱月TextData——


島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。

■近代文藝之研究|時評|文學入門者に(7)

■近代文藝之研究|時評|文學入門者に (二)(3)
昔は人の性質を心理學上から多血質とか、膽汁質とかいふ風に分けて、何の性質が何《ど》の方面に適すると云つたものであるけれど、然う鮮明《はつきり》と區別の付くものではない故、寧ろ事實的に漠然と言つて置く方が適切と思はれる。たとへば頭の工合の偏した傾のあ...

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■近代文藝之研究|時評|文學入門者に(6)

■近代文藝之研究|時評|文學入門者に (二)(2)
けれども自己研究は必要なるに拘はらず頗る困難で中々自己を知るといふことは容易に出來ることではない。分明《わか》らねばこそ古來の文學者にして全然《まるきり》違つた方面から入り込んだ人も多く、又現に成り了せて外からは天晴れな文學者と見られる人ですらも、...

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■近代文藝之研究|時評|文學入門者に(5)

■近代文藝之研究|時評|文學入門者に (一)(5) - (二)(1)
勿論社會が逼迫して行くに從ひ何れの方面にも生活上の問題は伴ふけれど、文學に於て特にその傾向が甚しく、殆ど文學と生活難とは必然關係とでも云ふべき程の性質を持つて居る、箇樣な状態であるから一種の折衷策、又は安全策として前述の生活上の餘...

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■近代文藝之研究|時評|文學入門者に(4)

■近代文藝之研究|時評|文學入門者に (一)(4)
此點からして我々は文學者たるべき眞の必要條件として、寧ろあらゆる生活難と闘ふこと惹いてはその結果としてさま/″\な境遇の變化に出會うこと、從つて曲折限なき人生の情味を實驗すること、一言にして掩へば活社會に浮沈するといふことが、文學者に取...

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■近代文藝之研究|時評|文學入門者に(3)

■近代文藝之研究|時評|文學入門者に (一)(3)
先づ第一に、古今は勿論、東西に亘つてあらゆる文學者が、其文學者になつた後にぶつかる困難は何時も生活問題である。即ち先づ第一に如何にして活く可かといふ問題が何時でも隨《つ》いて廻る。だから若し始めから文學に志して將來の行く道路をも用心深く考へて行くも...

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