■近代文藝之研究|研究|沙翁の墓に…(27)
- カテゴリ: その他
- 2011/09/18 07:28:25
■近代文藝之研究|研究|沙翁の墓に詣づるの記 九(2)
此土地の風格の、何とはなく清らかで、情《なさけ》ありげなのは、畢竟この川あるが爲めであらう。シヱークスピーア[#「ヱ」は小文字]と、エヴンとは、土地の命《いのち》である。若しあの白鳥《はくてう》がシヱークスピーア[#「ヱ」は小文字]の靈であつて...
島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。
■近代文藝之研究|研究|沙翁の墓に詣づるの記 九(2)
此土地の風格の、何とはなく清らかで、情《なさけ》ありげなのは、畢竟この川あるが爲めであらう。シヱークスピーア[#「ヱ」は小文字]と、エヴンとは、土地の命《いのち》である。若しあの白鳥《はくてう》がシヱークスピーア[#「ヱ」は小文字]の靈であつて...
■近代文藝之研究|研究|沙翁の墓に詣づるの記 八(2) - 九(1)
「あれは佛蘭西の系統《けいとう》ですよ。佛蘭西ではあの通りヴォルテヤの昔から、今のサードゥに至るまでシヱークスピーア[#「ヱ」は小文字]嫌ひが多いのですからね。なあに佛蘭西人なぞにシヱークスピーア[#「ヱ」は小文字]が分かるもの...
■近代文藝之研究|研究|沙翁の墓に詣づるの記 八(2)
「おゝ馬鹿々々しい。先達つても或る書物を見ると、二人《ふたり》の名を一つにしてシヱーコン[#「ヱ」は小文字]、ベークスピーアなんて書いてゐました。そして言ひやうが面白《おもしろ》いぢやありませんか。一つ此の際に折衷案を立てゝ名をベークスピーア...
■近代文藝之研究|研究|沙翁の墓に詣づるの記 八(1)
八
ホテルの客は二十人の上に出でゝ食堂は中々の賑ひである。我等は今一人亞米利加に育つて、獨乙に長くゐたといふ、五十左右の元氣《げんき》な婦人を加へて、四人|片隅《かたすみ》のテーブルに席を占めた。
今日《けふ》の話題《わだい》は...
■近代文藝之研究|研究|沙翁の墓に詣づるの記 七(2)
別けてゆかりは此の川の白鳥《はくてう》である。ベン、ジョンソンがいはゆる「エヴンの美《は》しき白鳥《はくてう》」こそは去つて繼ぐものも無けれど、まだ肌寒い川風に羽を掻く鳥の風情は、今も昔のまゝであらう。
「あすこにシヱークスピーア[#「ヱ」は...