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盗月Blog——島村抱月TextData——


島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。

■近代文藝之研究|研究|沙翁の墓に…(17)

■近代文藝之研究|研究|沙翁の墓に詣づるの記 五(6)

由來英雄の追懷は如何なる莊嚴美麗の形に於いてするも、畢竟生時の燦爛と死後の變易《へんえき》荒廢《くわうはい》との對照に外ならぬ。玉壘浮雲、無主の江山、何れか廢墟を痛《いた》み荒殘を哀《かな》しむの情でなからう。所詮英雄を弔するの意は荒廢を弔す...

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■近代文藝之研究|研究|沙翁の墓に…(16)

■近代文藝之研究|研究|沙翁の墓に詣づるの記 五(5)

回顧すれば我が始めて學窓にシヱークスピーア[#「ヱ」は小文字]を習讀して以來、殆ど十年、しばしば想像の間に出入りしてゐたスツラッフォード、オン、エヴンの地、別けても彼の銘を刻んだ詩人の墓を、今目のあたりに見て、我れは眞實我が身の此の境にあるか...

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■近代文藝之研究|研究|沙翁の墓に…(15)

■近代文藝之研究|研究|沙翁の墓に詣づるの記 五(4)

さて建立《こんりふ》の由來、建築、窓、繪の説明はざつと聞いて、つか/\と香壇の前に進めば、此處《こゝ》である、欄を隔てゝ右より二つ目の床石《ゆかいし》の銘《めい》は、
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善き友よ、耶蘇の願なり、止めよ、此處《こゝ》に納め...

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■近代文藝之研究|研究|沙翁の墓に…(14)

■近代文藝之研究|研究|沙翁の墓に詣づるの記 五(3)

寺の門《もん》は、幾百年の菩提樹|道《みち》の兩側に列を正し枝をわたして、青葉の天蓋を引く。左右に、楡《にれ》の葉蔭ひろく塵も留めざる一面の墓地は、凡ていはゆるホーリー、ツリニチーの神領《しんりやう》である。その楡《にれ》の木隱《こがく》れか...

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■近代文藝之研究|研究|沙翁の墓に…(13)

■近代文藝之研究|研究|沙翁の墓に詣づるの記 五(2)

華やかな日光が青紗《せいしや》のやうに透《す》ける青葉の蔭には、水の乙女、空の乙女が踊つてゐ、あのコローの繪にでもありさうな趣。我は曾て、始めて鎌倉に勝を探つた時、先づ其山色の、いかにも歴史と相呼應して蒼古の調を帶びてゐるのに魅せられた。其の...

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