■近代文藝之研究|研究|イブセン小傳(32)
- カテゴリ: その他
- 2011/06/23 00:02:35
■近代文藝之研究|研究|イブセン小傳 (五)(2)
厭世悲觀の人に單純なる受動的瞑想的と進んで之を如何にかせんとするの發動的道徳的との二あつて、イブセンは寧ろ後者に屬するとした所が、注目に値する點である。而して斯の如く現社會の制度と矛盾する邊に眞理を觀て其の衝突を描き、延いて眞理そのものゝ破滅を描...
島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。
■近代文藝之研究|研究|イブセン小傳 (五)(2)
厭世悲觀の人に單純なる受動的瞑想的と進んで之を如何にかせんとするの發動的道徳的との二あつて、イブセンは寧ろ後者に屬するとした所が、注目に値する點である。而して斯の如く現社會の制度と矛盾する邊に眞理を觀て其の衝突を描き、延いて眞理そのものゝ破滅を描...
■近代文藝之研究|研究|イブセン小傳 (五)(1)
(五)
イブセンが第一の知己にしてイブセンの發見者ともいふべきブランデズ氏がイブセン論の重なるものは、千八百六十八年に書いた「第一印象」千八百八十二年に書いた「第二印象」、千八百九十八年に書いた「第三印象」である。されば典據的イブセ...
■近代文藝之研究|研究|イブセン小傳 (四)(5)
イブセンの著作はウヰリアム[#「ヰ」は小文字]、アーチャー(W.Archer)氏、ゴッス氏、ハーフォード(Herford)氏等によつて專ら英譯せられてゐる。之れが劇場に上つたことについては、更に書くべきことも多いが、茲には略す。予の見たるは獨乙に...
■近代文藝之研究|研究|イブセン小傳 (四)(4)
彼れの傳記は同國人イェーガー(Jaeger)氏のを以て最も典據的且つ詳密のものとする。英譯もあるが、予の此の傳を作る時には手元に無かつた爲め、他書から間接に之に勘校したに過ぎぬ。評論では、イブセンを最も早く最も大膽明快に歐羅巴に推薦したものは、ブ...
■近代文藝之研究|研究|イブセン小傳 (四)(3)
イブセンが他の諸作家に及ぼせる影響は廣大なものである。現時歐洲の眞面目な社會悲劇は殆ど尚ほ多數イブセン式と稱してよい。英のピネロ、獨のズーダーマン等の過去の作が取り分け明らかに此の影響を現したものであることは、人の知る通りである。イブセンの死は今...