■近代文藝之研究|研究|イブセン小傳(22)
- カテゴリ: その他
- 2011/06/07 23:06:49
■近代文藝之研究|研究|イブセン小傳 (三)(12)
上に掲げたる圖(之れを省く)は、第一場、ヒヨールヂスが甲冑に身を裝ひ長槍を携へて始めて出場するところである。此の劇は數年前倫敦イムペリアル座にて興行せる者、エレン、テリーの息子ゴールドン、クレーグといふが新案の舞臺裝置に世人を驚かした。此の人の...
島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。
■近代文藝之研究|研究|イブセン小傳 (三)(12)
上に掲げたる圖(之れを省く)は、第一場、ヒヨールヂスが甲冑に身を裝ひ長槍を携へて始めて出場するところである。此の劇は數年前倫敦イムペリアル座にて興行せる者、エレン、テリーの息子ゴールドン、クレーグといふが新案の舞臺裝置に世人を驚かした。此の人の...
■近代文藝之研究|研究|イブセン小傳 (三)(11)
グンナーも強いられて斷然其のヒヨールヂスを得し次第を白状す。ヒヨールヂスは驚き且つ失望せしが再び悍然として復讐を決意し、我れ死するか、我が愛を賣りしジグールドを斃すか二者一ならざるべからずと叫ぶ。而も尚ほ彼の女はジグールドに逢ひ、今一度己れと奔...
■近代文藝之研究|研究|イブセン小傳 (三)(10)
斯くしてイブセンは本國を去つた。其の後彼れが聲名は益々昂つてクリスチアニアの劇場は遂に彼れを迎へて主宰たらしめんとするに至つた。併し彼は歸らなかつた。而して彼れが眞の著作期は此の他國に客となつてゐた間である。
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『ヘルゲラ...
■近代文藝之研究|研究|イブセン小傳 (三)(9)
クリスチアニアにては、イブセンの頃は全く固陋の徒より免るゝの途なく、社會の頂より奧底まで此の種の輩を以て充たされたりき。また諾威人は常に熱烈なる黨派心を有し冷靜公平の判斷を文學史上の作品に下すこと能わず。例へばブョルンソンにはブョルンソンの黨與あ...
■近代文藝之研究|研究|イブセン小傳 (三)(8)
獨乙人の所謂ブロートナイト即ち商賣讐の嫉妬非常に強く、上中下層を通じて競爭者と見れば打ち倒さんとするの慾心盛んなり。勿論淺薄なる教育はあり、また例外の少數家に立派なる人々も無しとは言はねど、大學仲間以外に出づれば精神思想方面の興味は索然として缺乏...