■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の…(44)
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- 2011/04/06 06:58:33
■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の跡 十五(2)
我れは帝國式に一期を劃するの説を採れり。而して千八百二十年頃より後の古典的美術は、羅馬より更に希臘に溯らんとせりと稱せらる。
嗚呼ルイ家とボナパルト家と一代の氣風はまた其の代表者の運命なり。文藝も亦た往々にして之れと消長を等しくす。王者逝いて藝...
島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。
■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の跡 十五(2)
我れは帝國式に一期を劃するの説を採れり。而して千八百二十年頃より後の古典的美術は、羅馬より更に希臘に溯らんとせりと稱せらる。
嗚呼ルイ家とボナパルト家と一代の氣風はまた其の代表者の運命なり。文藝も亦た往々にして之れと消長を等しくす。王者逝いて藝...
■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の跡 十四(4) - 十五(1)
總じて我が紋章といふものに一種の韻致あるは其の多く曲線を用ひたる圓形圖なるに拘らず、規律を持つこと巖に、且つ之れを累積して濫《らん》に流ることなく、婉曲を整々の中に保つの微妙なる調和あるがためにあらずや。
十五
...
■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の跡 十四(3)
之れを要するに金粉を用ふること漸く濫ならず。鋭き直線は凡てのものゝ輪廓直線は凡てのものゝ輪廓を支配して、圓かりしものは多く方形となりぬ。全面にわたりて小卷曲線を堆積せしもの、今は之れをたゞ一の大卷曲線にして雄健の致を添へ、若しくは之れを中央の一...
■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の跡 十四(2)
グラン、ツリアノンは既に述べたる如く、固とルイ十四世がマダム、マントノンの爲めに建てたる小宮にして、其の尚ほ平明なる古典式建築の面影を存するところ、多く後の風氣に感染せざるの藝術たり。中にナポレオン一世の遺物を保留したる一室あり。彼れが用ひし寢...
■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の跡 十三(2) - 十四(1)
支配の氣、帝王の相はあらゆるものに影を宿して、威力といひ雄大といふことを其の生命とするに至れるなり。是れ社會國性のおのづからの發現に外ならず。而して歐洲統一の覇圖を有せるナポレオンの人格は之れと歸を一にす。彼れが羅馬帝國の古に式...