Nicotto Town


盗月Blog——島村抱月TextData——


島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。

■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の…(8)

■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の跡 三(4)

されば此の庭園には、智巧ありて自然なし。それ智巧は常に劃一を意味し、均整を意味し、規律を意味して而して此の一面に限らるゝものは人間なり。自然はすなはち劃一の裡に變化多態を藏し、均整規律の上に放肆の趣、自在の形を有す。我等が人間の事に倦みて自然に之...

>> 続きを読む


■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の…(7)

■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の跡 三(3)

中に不斷の歡樂を藏するの宮殿が、外形に於いて却つて此の對照を有するは奇といふべし。想ふに是れ、ルイ家全盛のはじめ、マダムマントノンが冷靜の風格をこゝに印するものか。
同じき情味は更に後庭の眺めに於いて明に認めらる。試みに宮殿の西の階《きざはし》に...

>> 続きを読む


■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の…(6)

■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の跡 三(2)

街衢の全觀、たとへば水干《すゐかん》の袖を張りて烏帽子を戴けるものゝ如し。烏帽子は宮殿なり、束帶の紐の垂れたるが如きは三條の王道なり。而して宮殿の背後はすなはち一面の大庭園、其の規模の大にして其の按排の精微なるは、眞に人の目を驚かす。後の自然式建...

>> 続きを読む


■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の…(5)

■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の跡 二(4) - 三(1)

されど其の最も顯著なる時尚は、發して雄健の氣、英邁の態を帶びたる裝飾美術となりぬ。雄健の氣、英邁の態、之れを統ぶるものは力なり。力の發現、是れ實にナポレオン帝國の精神にして帝國式と稱する藝術の生命また茲にあり。帝國式藝術の標現は偉大...

>> 続きを読む


■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の…(4)

■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の跡 二(3)

然れども其の建築内に裝飾を加ふるに及びて既に大に後のロココの風を成せり。或は之れをバロック(Barock)式と見る。畢竟やゝ原始的なるロココに外ならず。而してのち、マントノンの世はポムバドゥアの世となりて、茲に所謂ロココは其の發展の頂上に達せり。...

>> 続きを読む





Copyright © 2025 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.