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盗月Blog——島村抱月TextData——


島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。

■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値(41)

■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値|七 (4)

而して文明は既にありふれたもの、自然は新たに作者が掘り起こして來たものであるため、おのづから注意は後者に集まる。自然主義の文藝と言はれる所以である。他の一は、科學といひ人生の暗黒面といひ、みな根底に現實といふこと、而して五官を通ずる物的現實といふ...

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■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値(40)

■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値|七 (3)

さて自然主義の文藝が斯くの如くして内容に眞を藏するとすれば、それが自然主義たる所以は、眞そのものの性質解釋に存すると見るのが當然であらう。何とならば、若し宗教問題を目的とするもの、哲學的眞理の布衍を目的とするもの、表面的世相の描寫を目的とするもの...

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■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値(39)

■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値|七 (2)

また美を眞の方便とするものでも、それが誠の藝術家である限り、最初の動機の如何に拘らず、筆を執つて紙に莅んだ瞬間からは藝術的態度に入らざるを得ない。即ち己れが個人として社會を思ひ、科學を慕ふ一念は、しばらく其の方便として撰んだ眼前の材料を活描せんと...

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■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値(38)

■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値|七 (1)

然るに今若し見地を一飜して考へると、文藝を有價ならしめ嚴肅ならしめんがために眞を加へるのでなくして、逆に、此等の眞が發揮したくてたまらない。社會改革の念、科學發展の志、世相暴露の望抑えがたく、それが發して此の種の文藝となつたとも解せられる。此の場...

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■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値(37)

■近代文藝之研究|研究|自然主義の價値|六 (5)

更に之れを事實に近づけて言へば、たゞ遊び事をして人に娯樂を與へてゐるやうな藝術では、無意識で、劣等であるやうに思はれて、眞面目にやる氣がしない。もつと嚴肅な意義が見出したい、そこで人生の眞相を露呈せしめやう、科學の眞理を敷衍しやう、社會問題を研究...

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