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盗月Blog——島村抱月TextData——


島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(75)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|十一 (6)

ドイツの自然主義については、コーア氏(Coar)の名著『十九世紀ドイツ文學研究』が最も巧みに其の間の消息を説いてゐる。其の要に曰はく、千八百九十年頃の若い文學者等は相率て自然主義に赴き、人生の精確なる寫像といふことを殊に精確といふことに力を入...

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■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(74)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|十一 (5)

繪畫の印象派は、アカデミー派が構圖に重きを置くに反抗して、専ら色彩に工風を凝らす。色彩は圖柄よりも概して肉感的である。色によつて直に感じを傳へんとする。また彼等は好んで卑近な醜惡な畫題を描く。また人事よりも自然物を多く描く。凡て彼等が自然派た...

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■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(73)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|十一 (4)

現實を現實として最も眞に寫さんとするには一切人工虚飾の分子を擺脱するを要する、赤裸々の人間、野性、醜、描いてこゝに至れば、最も眞に近づく、最も痛切である。ゾラの所謂人間の證劵(Document humaine)は斯くして始めて的確に讀まれる。...

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■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(72)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|十一 (3)

ゾラが『ルーゴン、マカール』二十篇の小説は、相補うて一の系統遺傳論であるとは言ふまでもない。此の意味で彼れは進化論の眞理を目的とした。また彼の『ラッソモア』は男女が飲酒、色欲、貧困等に圍まれて如何に墮落し死亡し行くかを語るを目的としてゐる。社...

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■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(71)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|十一 (2)

さて上に表示した諸目的中、或は其の一を援いて題材とし、或は其の二、三を兼有して題材とする。固より是等は、自然主義のみが題材とするものとは限らぬが、最も多く自然主義と聯結するものである。自然主義が近代的、傳習破壊的である結果は、個人主義と連なり...

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