■近代文藝之研究|講話|英國劇と道徳問題(1)
- カテゴリ: その他
- 2013/09/04 07:24:51
■近代文藝之研究|講話|英國劇と道徳問題 (1)
英國劇と道徳問題
これまでも幾回か繰返して話した通り、眞面目な演劇といへば歐羅巴では、今以て或る程度までイブセン式の所謂問題劇の色を帶びて來るものが多い。換言すれば眞面目な世話狂言の落想は、多く社會問題――といへば種々の語弊が生じませうが、寧...
島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。
■近代文藝之研究|講話|英國劇と道徳問題 (1)
英國劇と道徳問題
これまでも幾回か繰返して話した通り、眞面目な演劇といへば歐羅巴では、今以て或る程度までイブセン式の所謂問題劇の色を帶びて來るものが多い。換言すれば眞面目な世話狂言の落想は、多く社會問題――といへば種々の語弊が生じませうが、寧...
■近代文藝之研究|講話|新裝飾美術 (6)
序でだから一言して置くが、モーリスといふ人は、知らるゝ通り英吉利の繪畫壇に一新派を立てた所のラファエル前派の鏘々たる一人でロゼッチ。バーンジョーンスなどと双び稱せられ、且詩に於てもロゼッチ等と同じく立派な地位を保つた人である。で本來が意匠專門家で、此人の意...
■近代文藝之研究|講話|新裝飾美術 (5)
と、いつて、そして尚、いはく何も此の美術の元祖を爭ふといふ譯ではないが、想ふにアールヌーヴォーは、本來亞米利加から來つたものらしい。それはかの一八七五年費府で博覽會のあつた時に、諸國の美術が同地に集つた、そこで從來亞米利加に於る陳腐な室内裝飾法に倦きて居た...
■近代文藝之研究|講話|新裝飾美術 (4)
佛蘭西のラ・フヰガロー[#「ヰ」は小文字]の一記者は、曾てこれを呼んで、「ヌーイーエとムートンの骨との美術」即ちうどん菓子と羊肉の骨とを繼ぎ合わせたやうな美術といつたと言ふが、然し今日は日本でも既に廣く行はれてアール・ヌーヴォーといへばあれかと人もうなづく...
■近代文藝之研究|講話|新裝飾美術 (3)
それで此日本の裝飾的美術といふものが、西洋の装飾的美術に影響した今までの著しい現象の一つは、即ちかのラールヌーヴォー又はアールヌーヴォー即ち新藝術と通稱せられる一種の模樣法である。元來此十九世紀の後半に於る歐羅巴の裝飾美術界には、先づ二つの大きな新勢力があ...