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盗月Blog——島村抱月TextData——


島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(66)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|九 (6)

一は偏に外來の自然を歪まず曲らず映寫し出ださんとするが故に、その態度氣持は消極的となる。出來ることなら無念無想全く謙虚な心で其の事物を迎へ且つ送り出したい。こゝから排技巧、排主觀の傾向が生ずる。併し事實に於いて是れは或る度以上行はれるものでない...

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■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(65)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|九 (5)

其の意、自然派には二派あつて、一は印象派(Impressionists)といふ、自然を説明するを目的とし、自然から受けた印象を以て自家の人格を表はす手段とする。他は本來自然主義(Naturalism proper)といふ、絶對に客觀的なる現實を...

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■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(64)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|九 (4)

同國の批評家バーテルス(A.Bartels)氏の言を假りて言へば、此の主義はゾラ等の報告的自然主義(Reporter-Naturalismus)に對して、感覺界すなはち外物の印銘及びそれから生ずる情趣上の印銘を兩つながら併せて蓄音機的に再現せん...

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■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(63)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|九 (3)

他の一方、印象派的自然主義の主張は、結局一旦斥けた作家の主觀を或る方式で再び挿入しやうといふのである、作家が一旦自然の事象を感受して、自分の印象に纏めてそつくり再現しやうといふに歸する。前に擧げたシュタイン氏の情趣説の如きが即ち此の論に該當する...

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■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(61)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|九 (1)

        九

自然主義そのものゝ研究は之れを構成上及び價値上の二面に分かち得る。吾人は先づ其の構成論を概説しやう。
自然主義の構成は二點から見られる。第一は描寫の方法態度第二は描寫の目的題材である。
第一、描寫の方法態度から自然主義を分...

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