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盗月Blog——島村抱月TextData——


島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(55)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|八 (2)

ロマンチシズムの代表ユーゴーの勢力も此の頃を起點として反動の氣勢を示したらしく、フローベールの出世作『マダム、ボワ゛リー』の出たのも矢張り此の前後である。續いて千八百七十年代に及べば、ゾラがフローベール。ドーデー。ゴンクール兄弟。ツールゲニヱフ...

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■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(54)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|八 (1)

        八

十九世紀後半の自然主義はフランスを中心とする。併しながら其の何年を始めとし何年を終りとするかは明かでない。殊に其の終結に關しては、或は已に反動期に入つて自然主義は過去のものと成り了つた如くいふものもあれば、事實に於いて今な...

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■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(53)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|七 (5)

自然主義と冩實主義との相違は以上の如く種々に解するを得るとして、其の第一説、兩者を全然同一と見る論は少なくとも近代文藝の活きた事實を目睹するものゝ首肯し得ざる所であらう。第二第三の程度説と性質説とは、事實双方とも眞理である。其の理は後段自然主義...

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■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(52)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|七 (4)

最後に自然主義と冩實主義とは性質の差であるといふ説によると、冩實主義が自然の模冩たるに反して、自然主義は單に自然といふ以上に或る條件を加へたものを、單に模冩といふ以上の或る方法で寫すものである。前に引いたシュタイン氏の説では現實から受けた印銘を...

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■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(51)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|七 (3)

理想主義は自然の理想を思索して文藝の中に据ゑつけんとし、自然主義は自然を模して真僞を分ち難きまでに至らんとし而して此の、兩極端の間に立つ第三者は冩實主義であるとした論の如き、皆自然主義を以て最も極端なる自然の模冩と見なし、冩實主義を以てなほ大に...

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