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盗月Blog——島村抱月TextData——


島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(35)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|四 (7)氏は先づ自然主義を以て、外形を細かに寫すよりも自然の全體を我が情趣の助けで描くにあるとし、レムブラントが『ラザルスの覺醒に於ける基督』の如きは、救世主の顏すら明瞭には見えず、其の姿勢また他のイタリー畫に多くある如く仰々しい興奮的動搖をば示さず、救世...

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■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(34)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|四 (6)今日から見れば歴とした自然主義であると同時に、所謂ジャンル畫の風も是れから興つて、其の餘勢は遠く北方オランダに及び茲に十七世紀の前半を輝かす大繪畫を生んだ。それは即ちレムブラントの世相畫肖像畫等である。レムブラントの世相畫がカラワ゛[#濁点付き片仮...

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■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(33)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|四 (5)
複雜なる近代自然主義の説に入るに先だつて、今一つ繪畫史上に見落とすべからざる事實は夫のジャンル即ち世相畫の自然主義である。繪畫に於ける初期の自然主義は、むしろ此の方を重要と見るべきかも知れぬ。是れ亦た端を十六世紀後半のイタリーに發して、畫家カラワ...

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■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(32)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|四 (4)
けれども吾人がこゝで論究せんとする輓近の自然主義は、此の上に尚幾層の曲折を加へたものである。例ヘば夫のアムプレッショニズム即ち印象派と呼ばれる一派の畫風の如きが、此の曲折ある自然主義を代表する。恰も文學でワーヅワース等の自然主義とゾラ等の自然主義...

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■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(31)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|四 (3)
而して後コンステーブルとなり、ターナーとなり、またフランスに其の刺戟を及ぼしては、テオドール、ルソー乃至コロー。ミレー等、近世景色畫の大家が欝然として一時に競ひ起こつた。されば今若し自然を重なる題材にするものを自然主義と呼ぶ意味からすれば、繪畫上...

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