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盗月Blog——島村抱月TextData——


島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(30)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|四 (2)
其の『殉教者ピーター』の畫で暴風にどよめく樹木の背景が、背景の地位から進んで本景に入つてゐる例など繪畫界の趣味の漸く人事から自然物に廣まる端を示したもの、從つて歐洲に於ける自然畫若しくは景色畫の鼻祖は此の邊にあると評せられる(此の畫惜しいかな今は...

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■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(29)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|四 (1)

        四

ロマンチシズム内の不和合から生ずる自然主義の變遷を説くに先だつて、廣く文藝全般の自然主義について一瞥するに、吾人は繪畫の上に其の最も早い發生を認める。こゝでも文學の場合と同じく自然を好んで題材とするといふだけの意味のものが...

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■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(28)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|三 (9)
ロマンチシズムを一家に譬ふれば、「自然的」、「情緒的」以下五六の兄弟が同じ屋の下に同居してゐた。然るに此等の兄弟中「自然的」と名のつくものと他の兄弟等とは性來が違ふ。彼等は不和であつた。而して「自然的」は自ら分家して、他からの來援を得て遂に自然主...

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■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(27)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|三 (8)
然るに降つて十九世紀後半の自然主義に及べば、或は之れを以てロマンチシズムの反動と見るもの、或は之れを以てロマンチシズムの連續と見るもの、全く矛盾した見解をすら生ずるに至つた。是れは何故であらう。十九世紀初頭の自然主義と十九世紀後半の自然主義との間...

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■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(26)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|三 (7)

前に掲げた六要素中の自然的といふこと、すなはち人間の巧僞に反して自然の醇撲に還るといふ傾向がやがて此の自然主義であると共に、情緒的といひ、理想的といひ、中古的といふが如き諸要素も同時に存在してゐるのがロマンチシズムの特色である。斯くの如くにして...

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