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盗月Blog——島村抱月TextData——


島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(4)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|一 (4)

思ふに天外氏の自然主義は、其の理論に於いても、はた其の作に見はれた所に徴しても、今のいはゆる自然主義中の要素を、少なくとも其の傾向とし目的として含蓄してゐたことは爭ひ難き事實である。描寫方法の純客觀的ならんとすること、題材の肉に及び醜に及ぶ...

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■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(3)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|一 (3)

自然主義といふ語の始めて我が小説界に掲げられたのは、多分小杉天外氏からであらう。氏は六七年前しきりにゾラを讀んでゐたやうである。其の標榜するところの由來もおのづから察せられる。併し天外氏はまた後年同じ脈、同じ態度の作を寫實と呼んでゐる。自然...

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■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(2)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|一 (2)

輓近我が文壇に自然主義の這入つて來た光景も亦た「日の出前」と呼びたい。茲では文壇の夜あけがたに、何時となく東山の第一峯から鮮やかな一道の光を射上げて來た。萬物は一濟に頭を回らして之れを見つめてゐる。中には早く既に若い日の息に感じて歡呼の聲を...

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■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(1)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|一 (1)

    文藝上の自然主義

        一

『日の出前』とはハウプトマンがドイツに自然主義を廣めた新社會劇の名であるが此の名には慥に一種のシムボリズムが含まれてゐる。一評家が言つた如く、作者はあれ程暗澹悲痛の人生を描きながら、...

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■近代文藝之研究|研究|美學と生の興味(48)

■近代文藝之研究|研究|美學と生の興味|下 生の増進と美|三 (5)

地も、草も、人も、生活といふものに疲れ果てゝ、やがて彼方の寺から響き來る夜の鐘の音をたよりに、一夜をせめて安らかに休息せんとしてゐる。人間は何故に斯うしてまで生きて行かねばならぬか。分からぬものは運命の意味である。所謂近代的...

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