■近代文藝之研究|研究|美學と生の興味(42)
- カテゴリ: その他
- 2009/06/12 04:22:25
■近代文藝之研究|研究|美學と生の興味|下 生の増進と美|二 (3)
一は附屬的實用(Auxiliary utility)といふこと、他は生の根本機能(Vital function)の活動といふことで、前者は明確に之れを斷言し、後者はやゝ曖昧に之れを附加した。附屬的實用とは他に直接な實用目的が...
島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。
■近代文藝之研究|研究|美學と生の興味|下 生の増進と美|二 (3)
一は附屬的實用(Auxiliary utility)といふこと、他は生の根本機能(Vital function)の活動といふことで、前者は明確に之れを斷言し、後者はやゝ曖昧に之れを附加した。附屬的實用とは他に直接な實用目的が...
■近代文藝之研究|研究|美學と生の興味|下 生の増進と美|二 (2)
吾人はリボー氏の此の三段に更に最後の一段を加へて、第四、美感が再び實用に歸らんとする時代といはんとする。すなはち第一、美と功利の密着時代、第二、其の半分離時代、第三、其の全分離時代、第四、其の再合時代、といふが如き順序を茲に...
■近代文藝之研究|研究|美學と生の興味|下 生の増進と美|二 (1)
二
以上の四説を總括すれば、第一第二は、上古の代、事實乃至理論の上に美と功利とが同一であつたといふに歸し、第三第四は、現に事實乃至理論の上に美と功利とが同一であり若しくはあらんと傾向するといふに歸する。...
■近代文藝之研究|研究|美學と生の興味|下 生の増進と美|一 (7)
第四に數ふべきは、現に美中の或部分が生活作用そのものから成立するといふ事である。フランスのギヨーがスペンサー等の生活分離説に反對した有名な實感説はその例である、即ち或る境に於いては、我れの生活を助ける作用が直ちに美になると見...
■近代文藝之研究|研究|美學と生の興味|下 生の増進と美|一 (6)
或時は最上善即ち美なりと見、或時は神即ち美なりと見、或時は眞理即ち美なりと見、或時は科學即ち美なりと見る。要するに皆功利に美を近づけんとするものに外ならぬ。吾人は此の傾向の底に、否みがたい人間の本面目が潜んでゐると信ずる。一...