■近代文藝之研究|講話|繪畫談(3)
- カテゴリ: その他
- 2013/08/03 18:53:09
■近代文藝之研究|講話|繪畫談 (3)
日本畫の中で歌麿は暫らく措き、北齋があの如く、歐羅巴に歡迎されたのは、曾て誰かも言つて居た如く、主として其畫いて居る題目が、近世の歐羅巴の文藝に通じた特色である所のネチュラリズムと通ずる所のある點であらうと思はれる。即ち寧ろ題目を下層社會若しくば普通に見醜いや...
島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。
■近代文藝之研究|講話|繪畫談 (3)
日本畫の中で歌麿は暫らく措き、北齋があの如く、歐羅巴に歡迎されたのは、曾て誰かも言つて居た如く、主として其畫いて居る題目が、近世の歐羅巴の文藝に通じた特色である所のネチュラリズムと通ずる所のある點であらうと思はれる。即ち寧ろ題目を下層社會若しくば普通に見醜いや...
■近代文藝之研究|講話|繪畫談 (2)
右の内でも就中ホイッスラーが近年に於る英國の大家で、而して日本畫の影響を最も多く受けた人である事は此前回にも一言しましたが、佛國では例のアンプレショニズム(印象派)……特に其印象派から進んで行つた所の新アンプレショニズム若くはポイン...
■近代文藝之研究|講話|繪畫談 (1)
繪 畫 談
日本畫の歐羅巴繪畫界に及した影響に付ては、近時我邦でも多少議論があるが、尠くとも傳彩法で、日本畫の影響が歐羅巴の繪畫界に現はれたのは爭ふべからざる事實である。でそれが如何に大に、而してまた如何に長く續くべきかは、精細に研究しなければ斷言する...
■近代文藝之研究|講話|英國最近の繪畫に就て (9)
それからワッツと共に前に名を擧げて置きましたホイッスラーはニ三年前に死んだのであるが、同じくワッツと相對すべき大家で之はラファエル前派の中から出て、寧ろインプレッションニスト即ち印象派の或る部分をも取り入れ、就中日本畫の影響を澤山に享けた人である...
■近代文藝之研究|講話|英國最近の繪畫に就て (8)
前申したテート畫堂へ行つて見ますと、特に大きな一室が此人の畫ばかりで充たされて、ワッツ室といふのがあります、此人の繪で尤も有名なのは「希望」と題するもので、地球の上に一人の人が目かくしをして腰をかけて居る、即ち希望は盲目なりといふ心から思ひついて...