■近代文藝之研究|講話|英國最近の繪畫…(7)
- カテゴリ: その他
- 2013/07/22 07:38:37
■近代文藝之研究|講話|英國最近の繪畫に就て (7)
以上の畫家はローヤル・アカデミーの正會員であるが、其外一層新しい即ち補助會員であるとか、亦は全く會員外から出た人であるといふ部類の畫家にも隨分勝れたのがあります。また近年物故した畫家に就て一言陳べて見ますと、先づホイッスラーとワッツとが最も大なる...
島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。
■近代文藝之研究|講話|英國最近の繪畫に就て (7)
以上の畫家はローヤル・アカデミーの正會員であるが、其外一層新しい即ち補助會員であるとか、亦は全く會員外から出た人であるといふ部類の畫家にも隨分勝れたのがあります。また近年物故した畫家に就て一言陳べて見ますと、先づホイッスラーとワッツとが最も大なる...
■近代文藝之研究|講話|英國最近の繪畫に就て (6)
本來の此人の畫法はどちらかといへばクラシカル即ちやゝともすれば形の勝つた方の、いはゞ整然とした畫風であつて、それと同時に亦た題目も希臘物を取るのであるが、近年サーゼントなどの風にかぶれ[#「かぶれ」に傍点]て肖像畫などを隨分描いた、然るに最近恐ら...
■近代文藝之研究|講話|英國最近の繪畫に就て (5)
次でに此人の癖を一寸申して見ますと、此人は寫すべき人を向へ据へて肖像を描くに最初の間ニ三度は必ずムダ[#「ムダ」に傍点]をさせる、又た筆を執つて其人の前に立ても氣が進まないと筆を抛て洋琴などを彈き始めて、自分の氣分が恢復して來てから取りかゝるとい...
■近代文藝之研究|講話|英國最近の繪畫に就て (4)
それで此人の肖像畫風は、例のダッチ・スクール即ち和蘭派の肖像畫の系脈ともいふべきで背景其他の全體を極黒ずんだ力と重みを專一にしたやうなライト・エンド・シェードの使い方である、又近世肖像畫の泰斗といへば西班牙のワ゛エラスケスも其一人であるが、サーゼ...
■近代文藝之研究|講話|英國最近の繪畫に就て (3)
此人の出世作といはれる畫は今から二十年ばかり前に描いた「カーネーション・リリー・リリー・ローズ」といふのであつて、其年のローヤル・アカデミーに大喝采を博したものである、これは友人なる或る畫家の家で二人の少女が提灯を點して花園で遊んで居た、それを見...