■近代文藝之研究|講話|獨逸現代の音樂家(3)
- カテゴリ: その他
- 2013/06/17 07:28:37
■近代文藝之研究|講話|獨逸現代の音樂家 (3)
單に歌手または彈奏手吹奏手としての大家は別として、現時獨逸で最も大なる音樂家、音樂指揮者は――指揮者となるには當然樂手としてまたは作樂者として、先づ樂團を心服せしむる程の高き位地に上らなくてはならないのであるが――例へば先年までヴヰーン[#「ヰ」は小...
島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。
■近代文藝之研究|講話|獨逸現代の音樂家 (3)
單に歌手または彈奏手吹奏手としての大家は別として、現時獨逸で最も大なる音樂家、音樂指揮者は――指揮者となるには當然樂手としてまたは作樂者として、先づ樂團を心服せしむる程の高き位地に上らなくてはならないのであるが――例へば先年までヴヰーン[#「ヰ」は小...
■近代文藝之研究|講話|獨逸現代の音樂家 (2)
即ち同じ一つの音鍵を敲いても、甲の人と乙の人の敲く刹那、其人の胸の底から發して指の先に傳はる其精神の工合で、同じ度の同じ音色の音でも違つたものになる。况んやそれが複雜な長短高低種々の音の結合上に現はれるに於ては、到底我々の知識力で分解し盡す事の出來な...
■近代文藝之研究|講話|獨逸現代の音樂家 (1)
獨逸現代の音樂家
欧羅巴現代の音樂家、音樂指揮者に付て一言して見るに、欧羅巴の音樂といへば尠くとも現今までの形勢では獨逸が矢張り中心である。從つて歐洲の音樂家といつても、自然獨逸の音樂家の事になる譯であるが、無論我々は自から音樂が奏れるでもな...
■近代文藝之研究|講話|歐文學中の日本 (10)
其所で老人は其理由を説明して結局兩人を仲直りさせ、眞實の愛は詐りの上には宿らないから、互に眞實の自分を知り合つてこそ、其所に眞實の愛が出來るのである、といふことをそれとなく説き聞かせ、此鏡は自分が持つて歸るが、其代りとして兩人には他の鏡を殘して置くか...
■近代文藝之研究|講話|歐文學中の日本 (9)
ミウラは鏡をハナに突付けて、此中の肖像の男は何人であるかと詰問する。おハナは鏡を取上て見ると美しい女の顏が映るので、これも大に愕いて、忽ち嫉妬の焔を燃やして、これは屹度ミウラの愛して居る女の肖像であらう、斯樣な美しい情婦があるに、自分が壁にかけてある繪...