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盗月Blog——島村抱月TextData——


島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。

■近代文藝之研究|時評|『蒲團』を評す(2)

■近代文藝之研究|時評|『蒲團』を評す (2)
無い譯の批難を強いて加へやうとする所に種々の滑稽が演ぜられる。自然主義、はいいが何だか氣に喰はぬ、今に飽きられるだらう、屹度見てをれ、一年とば續かぬから、などゝ五寸釘でも打ち込みさうなものがあるかと成へば、ぐつと高くとまつて、おれ等が見れば小供のいたづ...

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■近代文藝之研究|時評|『蒲團』を評す(1)

■近代文藝之研究|時評|『蒲團』を評す (1)
     『蒲團』を評す
僕は自然主義賛成だ。少くとも今のところ、日本の文壇では是れが一番新しい趣味だ。いや端緒は以前からあつたかも知れぬが、小説界に明白に乘り出して來たのは新しい〓[#「こと」合略仮名]だ。ユイスマンで一轉しかけた、ブールゼーで反對に...

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■近代文藝之研究|時評|『破戒』を評す(4)

■近代文藝之研究|時評|『破戒』を評す (4)
性格描寫は感服するほどでない。殊にも女性が不出來である、會話が生きて居らぬ。寺の細君おしほなど、作者が説明に力めてゐるに拘らず、類型の域に迄も達して居なくはあるまいか。また丑松とおしほとの相思の方面が今少し活かして書いて欲しかつた。北信の説明が大分しば...

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■近代文藝之研究|時評|『破戒』を評す(3)

■近代文藝之研究|時評|『破戒』を評す (3)
一ぜんめし屋を叙し、敬之進の宅を叙して、油繪のジャンルのやうな筆を使ふところ、やがて自然派の得意の境であると共に、弊もまた此の派に多くに通有な點から生ずる。即ち事象を歴寫し去つて、却つて、全景の一に溶け合ふ點を遺却した氣味である。思ふに作者は一事を叙し...

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■近代文藝之研究|時評|『破戒』を評す(2)

■近代文藝之研究|時評|『破戒』を評す (2)
作中所々に殊に好んで嗅覺を用ふる、恐らく是れは作者も意識してやつたのであらう。要するに印象を出來る限りフレッシュに、キーンに、ウヰ[#「ヰ」は拗音小文字表記]ウ[#「ヰ」は拗音小文字表記]ヰットにと覘つた用意と見える。勿論斯やうな描法が他に無いとは言は...

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