■近代文藝之研究|時評|オペラは亡ぶべきか(1)
- カテゴリ: その他
- 2013/01/04 14:13:26
■近代文藝之研究|時評|オペラは亡ぶべきか (1)
オペラは亡ぶべきか
西洋で目下最も全盛を極めてゐる藝術を何かと問へば、少なくとも其の一つはオペラであると答へ得る。オペラと言へばワグナーが作を中心とすること勿論である。我が邦では是れからやつとオルフォイスの摸演でもやらうといふのだから、問...
島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。
■近代文藝之研究|時評|オペラは亡ぶべきか (1)
オペラは亡ぶべきか
西洋で目下最も全盛を極めてゐる藝術を何かと問へば、少なくとも其の一つはオペラであると答へ得る。オペラと言へばワグナーが作を中心とすること勿論である。我が邦では是れからやつとオルフォイスの摸演でもやらうといふのだから、問...
■近代文藝之研究|時評|『ミカド』オペラの事 (3)
ココは之れに同意したが、結局ナンキープーは君主の御子であると知れて、自分は夫のカチシャをすかして、それと結婚しナンキープーとユムユムとの戀も目出度成就するといふ話である。たゞ是れだけの話と臺詞とで運ばせて、それに種々の人物や馬鹿げた事柄を附け加へ...
■近代文藝之研究|時評|『ミカド』オペラの事 (2)
此等の名譽を得るためには、我が日本の帝室までが嘲笑の犠牲に使はれてゐるのだと思ふと、私情としては餘り善い心持もすまいが、併しそれは二十餘年前の事で、當時は英國といへども日本に關しては事實それ以上の感情知識は持つてゐなかつたのであるから致しかたがな...
■近代文藝之研究|時評|『ミカド』オペラの事 (1)
『ミカド』オペラの事
近日の新聞で見ると、英國ロンドンでは、同盟國たる我が日本に敬愛の意を表するため、彼の地の流行音樂の一たる『ミカド』と題するものゝ演奏を禁じたさうである。是れはさもあるべき事と思ふが、元來この『ミカド』と題する音樂は...
■近代文藝之研究|時評|英國の俳優教育、新作脚本 (4)
ヘーマーケット座の座頭シリル、モード曰はく、新作は過去四年間に五百通も來たが、大概はいけない、理由は舞臺の知識が足りない爲であると。又曰はく、俳優は教へられないでもないが、教へるといふよりは、既に所有してゐる素を改良進歩せしめるといふ性質のも...