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盗月Blog——島村抱月TextData——


島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。

■近代文藝之研究|時評|動的美學(3)

■近代文藝之研究|時評|動的美學 (3)
さらば動とは何であるか。曰はく明かに定着の反對、靜止の反對である。變化、運轉、消長といふが如き状態に一貫する現象である。日常世人のいはゆる動である。別に特殊の意義があるのでは無い。而して斯かる意義にての動が、やがて美の一般的原理となるの事實は下の如くである。...

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■近代文藝之研究|時評|動的美學(2)

■近代文藝之研究|時評|動的美學 (2)
申すまでも無く、動といふことを美の説明原理としたのは、強ち此の著者が始めとはいはれませぬ。近くはリップス氏なども一部の説明としては、既に此の意を用ひてゐます。たゞ之れを美の全體に渉るべき原理、美學の唯一根據と見て、爲めに一書を成したのはダーメン氏が始めであり...

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■近代文藝之研究|時評|動的美學(1)

■近代文藝之研究|時評|動的美學 (1)
     動的美學
是れは私の説ではありませぬ。獨逸のテオドール・ダーメン(Theodor Dahmen)と申す人が千九百三年に出した『美の理』(Die Theorie des Schoenen)といふ美學書の大要を紹介するに止まります。此の書には、標題の下...

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■近代文藝之研究|時評|禁閲覽の文學(7)

■近代文藝之研究|時評|禁閲覽の文學 (7)
青年以上の男女に對しては忠告訓戒は固より可、禁壓強制は徒らに其の精神の自由を拘束し反對の意識を強めるに止まつて何の効をも致すまい。私人の相たいづくならば知らぬこと、國家機關の一部を代表する帝國圖書館當事者が、文藝上の問題たる『魔風戀風』に禁壓を加へて公衆...

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■近代文藝之研究|時評|禁閲覽の文學(6)

■近代文藝之研究|時評|禁閲覽の文學 (6)
最後に一考すべき點は、作物其のものゝ價値如何に拘らず、之れを讀むものゝ程度によつて其の材料たり部分たるに過ぎぬものにのみ感情を支配せられ、作の全局に存する是認の契機を感悟し得ぬ弊はないかといふ事である。即ち此の理由に據つて文藝に迫らんとするものは、讀者の...

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