■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の…(17)
- カテゴリ: その他
- 2011/02/25 00:45:17
■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の跡 六(3)
ただ之れを貼札の卷縮せるものと見るのカーツーシュに於いて、僅かに器用工業の上に美の一源を發せしめんとするの意あるを見る。何とならば卷縮せる貼札は一の器具にして此の形を聯想するとき、そこに單なる線條以外の興味を發し得べければなり。また我が邦に雲の卷...
島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。
■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の跡 六(3)
ただ之れを貼札の卷縮せるものと見るのカーツーシュに於いて、僅かに器用工業の上に美の一源を發せしめんとするの意あるを見る。何とならば卷縮せる貼札は一の器具にして此の形を聯想するとき、そこに單なる線條以外の興味を發し得べければなり。また我が邦に雲の卷...
■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の跡 六(2)
『意匠の理論及實技』の著者英のジャクソン(F.Jackson)氏は裝飾美術の元素を分かちて幾何學的、建築的、工業的、植物的、動物的、人間的とせり。若し此の分類に從はゞ卷曲線は其の初め專ら幾何學的若しくは工業的より起こり、植物的形似に達して、其の繁...
■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の跡 五(3)-六(1)
然るに下つてコリンス式圓柱の行はるゝに及べば柱頭のカーツーシュは中央より折れて二線と成り、恰も尖端を外《そと》に卷きたる對生葉の如く、はた百合《ゆり》の花瓣を抱き合せたるが如きものと展開し來たれり。是れをアイオニック期に於いて單に直横線...
■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の跡 五(2)
今渦紋状の卷曲線が殊さらに斯く寵用せらるゝに至りし起原を考ふるに、夫のカーツーシュ(Cartouche)といふものと通ずる所あるに似たり。而してヴォリュート(Volute)といひ、スクロール(Scroll)といふもの、また皆カーツーシュと相通ず。...
■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の跡 五(1)
五
凡そ建築裝飾の如き美術に於いては、色彩の外、美の材料となるものは專ら線にあり、而して線は如何なる形に於いても、曲直の二つを離れず。
金を楹《はしら》に泥《でい》し、朱を榱《たるき》に塗り璧《たま》を〓[#「王」+「當」]《たるき...