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盗月Blog——島村抱月TextData——


島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。

■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の…(12)

■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の跡 四(3)

然れども、ロココが生命とする裝飾の樣式は此の外にあり。何ぞや、曰はく放肆なる曲線の疊用是れなり、之れを卷曲線の美術と呼ばん。
更に適切に之れを言へば渦紋、螺線、卷葉蔓草の濫用なり。形は悉く彎曲して、線は悉く婉柔自在、舒びて端に至れば、卷縮して必ず...

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■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の…(11)

■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の跡 四(2)

斯くの如きは、謂ふ所ロココ式建築の意を示せるものなり。我れは更に精しく此の絶富麗の藝術を叙するの前少しく之れが説理を加ふべし。
帝國博物館の編述に係る日本美術史は、我が日光廟を以て彼の土のロココ建築に比せりと記憶す。是れ固より何人も想ひ及ぶべき類...

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■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の…(10)

■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の跡 三(6) - 四(1)

想ふ、其のいにしへ、宮中の夜宴曉に徹して、花の如く蝶の如き滿廷の士女、やうやく翠帳のあなたに疲れ去る頃は、初夏の空に殘月淡く、星薄く、庭の芝生に置く露の繁さ。此のとき窓に憑つて望むものは嬌瞼三分の眠を帶びて、明けがたの風に鬢の亂れを...

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■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の…(9)

■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の跡 三(5)

而して此の端嚴明徹の底には、實に一味の哀傷潜む。夫れ端嚴明徹は我等が知識を窮むるの形なり。知識の到達せんとする形式は、如何なる場合に於いても端然井然として一明徹底なることなり。然れども我等一たび知識の之くところを窮めて洞然たるの後、靜に回顧反覆し...

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■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の…(8)

■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の跡 三(4)

されば此の庭園には、智巧ありて自然なし。それ智巧は常に劃一を意味し、均整を意味し、規律を意味して而して此の一面に限らるゝものは人間なり。自然はすなはち劃一の裡に變化多態を藏し、均整規律の上に放肆の趣、自在の形を有す。我等が人間の事に倦みて自然に之...

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