■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の彫刻…(30)
- カテゴリ: その他
- 2010/12/22 07:17:25
■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の彫刻を論ずる書 第九(1)
第九
議論がやゝ本題を離れ過ぎたから今一たび彫刻に還つて此の論を結ぶ〓としやう。そも/\前回に述べたやうな自然派の本意は如何にして實現せらるゝか。之れをトルワ゛ルゼン以下シャプー。デュボア等に至るまでの彫刻について見るとき...
島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。
■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の彫刻を論ずる書 第九(1)
第九
議論がやゝ本題を離れ過ぎたから今一たび彫刻に還つて此の論を結ぶ〓としやう。そも/\前回に述べたやうな自然派の本意は如何にして實現せらるゝか。之れをトルワ゛ルゼン以下シャプー。デュボア等に至るまでの彫刻について見るとき...
■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の彫刻を論ずる書 第八(3)
それよりも重要な問題は自然派がかくの如く作爲を減じ行かんとする動機は何であるかといふことである。何のために成るべく多く自然に接近せんとするか。其の答は夫の英詩人ワーヅワースの自然主義を評した一評家が寫實派を難じて「冷かに理解的記録を作る...
■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の彫刻を論ずる書 第八(2)
ドイツの『近世美術史』の著者ローゼンベルグといふ人は、繪畫論の序に兩者を相并べて、寫實派は自然を自然のまゝに醜は醜、美は美と寫せども、それが爲めに畫家の圖取、布置、色、影等の特權を棄つることはしないもの、自然派は全く自然に無條件の服從を...
■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の彫刻を論ずる書 第八(1)
第八
今以上の論を概括するときは、我等は寫實主義の動搖といふことに思ひ及ばざるを得ない。トルワ゛ルゼンの後リュード。ラウホ等には古典主義の動搖して寫實に之かんとする過渡の状態が見えてゐた如く、今シャプー。デュボア等には寫實...
■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の彫刻を論ずる書 第七(3)
けれども彼が寫實的風格は、其の肉の刻み方及び顏の表情に溢れてゐる。『ナーシッサス』の胸より腕にかけての肉附には、所謂クラシシズムの靜的、一般的、理想的な面に見られない、動的、個的、現實的な凹凸がある。亦其顏はうつとりと水中の姿に見惚れゐ...