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つれづれてるままに

幻想断片:石物語 <フーメ編>「フルール」

http://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=604385&aid=57901667幻想断片:石物語〈フーメ編〉「シャトン」・・・より、続きます。

ノックの主に、私は声をかける。
「開いていますよ、どうぞ」
「はい……」
そ...

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幻想断片:石物語 <フーメ編>「シャトン」

「フーメは、この部屋・好き?」
突然の言葉に、私は下を向く。
声の主は小さな猫。首を傾げながら、私を見上げる。

猫とは言ったが、「猫」ではない。
彼女はクリゾベリル・オ・クール・ド・シャトン。
「仔猫の心臓の金緑石」という名を持つ石であり、尚且つ金色の仔猫でもある。
差し伸べた私の手に、するりと顔...

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幻想断片:石物語 <フーメ編>「アクアマリン」

長考に浸っていた私はおそらく、何度かのノックを聞き逃していたのであろう。
我に返り「どなたですか?」問うと、
「フォルテです。あの……」と、遠慮がちな声が返ってきた。
「ああ、しばらくお待ちいただけますか」
慌てて、私は窓を全開にした。
部屋に溜まっていた煙は、押し寄せる...

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【幻想断片】午睡

  あたしはずーっとずーっと遠く、東の高い山々の、その奥の奥で生まれたんよ。 まだ名前も、姿すらなく漂ってた。 下へ・下へ・下へ・・・そしてまた、昇ったりね。 ひんやりと、ゆっくりと、心地よかった。   砂漠の地下を流れる水路<カレーズ>が地表に現れるあたり。 オアシ...

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【幻想断片】悪鬼ルパーダ


 「そのお前の、兎のような心臓をおよこし」


そこは、濃密にたち籠めた香に幾重にも覆われた霊廟。
弱々しくも、啜り泣く声。
その絶望の匂いに惹かれ、私は降り立った。

闇の、冷えきった滴りから産まれた。
私は悪鬼・ルパーダ。
夜を狩るもの。

それは、深淵なる絶望。
これほど心の弱き者が刻めるは...

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