Nicotto Town



追悼 悦子様


バレンタインの朝、お嬢様達とご主人に手を握られ、
『You may dream』を聴きながら旅立たれたと聞きました。
さぞお心残りも多いことでしょう。

光栄にも前座をたびたびやらせていただきましたが、
ある時期からご遠慮申し上げることが多くなり、今に至りました。
その理由を書かせていただき、私なりの追悼とさせていただきます。

貴方は或る日から、ご主人を輝かせる太陽であることを自らに課し、
壮絶な覚悟でロックスターを演じる道をお選びになりました。
歌手ではなく、ご主人のためのロックスターとして。

ハコに入るときから楽屋、本番で階段を上がってくるその挙措に至るまで、
全てを物凄いクオリティで意識的にコントロールなさっていました。
ご主人の音をどう響かせるか、ハコのスタッフへの注文もきめ細かかった。

楽屋だろうがステージだろうが一向に変わることのないロック馬鹿のご主人。
この方のために、40年近くステージに立ち続けていらっしゃった。
私は、その様子を見ることに……おそらく耐え難い何かを感じておりました。

私がハコでご一緒したのはシーナさんというロックスターであり、
妻、母である悦子さんという方には一瞬もお会いしていません。
その状況を『居心地の悪さ』と表現することをお許し下さい。

貴方の歌で一番好きなのは『おまえが欲しい』でした。
イギーポップのカバーですが、あのシンプルな歌詞は沁みました。
最後の「もう一度」のリフレイン、未だに聴こえます。おまえとは誰なのでしょう。

「もう一度」と思いながら旅立たれたかもしれませんね。
その願いがシーナさんのものであると同時に、
鮎川悦子という女性のものでもあってほしい、と思います。

シーナ&ロケッツのボーカルだったシーナさん、
本名 鮎川悦子さんが2月14日の朝、61歳で逝去なされました。
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。




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