Nicotto Town



ヤキ・リーベツァイトの訃報に接し


ジャーマンプログレを代表するバンド、CANのドラマーが逝去、享年78。
彼の参加曲で好きなのを5曲挙げようと思ったが不可能でした。
知らない方も多いと思うので少々紹介を。足向けて寝てはいけないレベルの人です。

マンフレッド・ショーフのバンドで結構まともなフリージャズやってた彼が、
クラシック崩れのインテリやヒッピーとコミューン的活動を始めたのがCANの始まり。
とにかくあらゆる音楽をぶちこんだ多様性の塊、真にプログレッシブなバンドでした。

ヤキのドラムは非常に特徴的で、半世紀近く時代を先取りしています。
「人間が出せる機械的なビートの限界」に挑むだけでなく、その意味を変えてしまった。
グルーブ、スウィング、歌心、超絶技巧といった諸々の対極を歩み続けた。

CANの曲が持つクールな熱狂を生み出しているのは間違いなく彼の力です。
解散後は人力テクノユニット、クラブ・オブ・カオスを率いた。こちらも凄すぎる。
リズムやビートというものの意味を全く新たに開拓した偉人、スタイリストです。

影響を受けた人は……というより、影響を受けなかった人を探す方が難しい。
一例を挙げますと、日本のアングラ前衛屋でCANを嫌いな人に会ったことがない。
特にヤキのアプローチは全ドラマーが一時は通る道かもしれません。その位の偉人。

21世紀の音楽で本当に驚けるもの、新しいアプローチに逢う機会は少ないのですが、
そりゃ仕方ない部分もあります。ビートルズとCANがほぼ全て演ってるんですから。
リズムマシンってのはヤキを真似るために開発された機械かも、と妄想してしまう。

何から聴いてもハズレなし、と言いたいところなんですが、やはり初期がお勧め。
『モンスタームーヴィー』『サウンドトラックス』『タゴ・マゴ』『エゲ・バミヤージ』等々。
固有名詞のプログレとは無縁、真のプログレッシブだと私は評価しています。

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2017/01/24 07:26
>ヘルミーナさん

『プログレ』と書くと、メロトロン、抒情、高速ユニゾンに変拍子等、技術や技巧を語りやすい要素が満載でして、
好きなバンドは山のようにあるのですが、『プログレ』ファンかと問われると……そうとも言えないです。
CANやヘンリー・カウ、ザッパ等は、アプローチが違いますが似た肌触りを感じています。
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2017/01/23 22:41
R.I.P. ヤキ・リーベツァイト

亡くなったとは知らなかったです。
わたしはCANも嫌いじゃないのですが、どちらかというとホルガー・シューカイが好きで、
よく聴いてました。

>固有名詞のプログレとは無縁、真のプログレッシブだと私は評価しています。

これに本当に同意です。
固有名詞のプログレがちょっと苦手なわたしでもCANは素直にすごいと思ってきいてます。
今夜、ニコタのお友達のお部屋からネットラジオに参加するのですが、
CANをリクしようかしら?



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