Nicotto Town



『JAPROCKSAMPLER』読みました?


ジュリアン・コープというニューウエイブ期の英国ミュージシャン、
名前は聞いてたが音楽を聴いたことがなかったのです。
先日TVで昔のライブを流しており、眼がトンでるので興味を持ち調べてみた。

『JAPROCKSAMPLER』という本を10年前に出しておりました。
日本のアングラロック史に関する研究書というのが無難な紹介かな。
一種のトンデモ本として知名度が高いようです。DISKUNIONで見たかな?

未読ですが断定しちゃおう。こりゃ傑作です。マチガイない。
インテリ極左的ガイキチ前衛音楽マニアなら、絶対気に入るはず。
だいたい扱ってるミュージシャンが、私のツボにハマりすぎである。

内田裕也、フラワートラベリンバンド、裸のラリーズ、
スピードグルー&シンキ、小杉武久とタージマハル旅行団、JAシーザー、
村八分、外道、佐藤彦、ファーイーストファミリーバンド……等々。

事実誤認、曲解、妄想、偏見などなど、否定的な書評も多々ありますけど、
そりゃ名著の勲章でしょう。音楽を言葉で語るんだから、何でもアリです。
植草甚一でも間章でも、モーツァルト語る小林秀雄でも同じようなもんです。

読みたい理由の一つは、P・K・ディックの『高い城の男』的なSF要素です。
歪め、捻じ曲げられた偽史を通し、事実や史実のバカバカしさを笑いつつ、
どちらが虚でどちらが実か判別できなくなる酩酊感が味わえそうなのです。

二つ目は、細野晴臣系音楽の完全無視という毅然たる姿勢に共感するから。
はっぴいえんどやYMOを意図的に無視しているらしく、私は凄く理解できる。
ロック屋からすると細野人脈は『音楽家』であり『ロック』ではないわけです。

もう一つ。年老いた前衛音楽家の実像を知っているせいでもある。
この書に何度も名の出てくる某有名ミュージシャンに誘われ、
腕利きの知人がライブで共演した。数日後、二度と御免だと彼は吐き捨てた。

私も似た経験が多々あるわけでして、昔の名前で喰ってる老ロッカーも多い。
あ、裕也さんのコトじゃないっすよ、裕也さんは首尾一貫している偉人です。
場末のハコで未だに半世紀前の栄光の残滓で演奏してるジジイどもの話です。

やばいヤバイ、また敵を増やしてしまうから自重しよう。
ともあれ、日本のロックに興味があるなら読んで損しないと思いますぜ。
買うか借りるか悩んでる。何度も読み返す本じゃないしね。どうしようかなー。






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