Nicotto Town



サーカスがやってくるぞ


新聞折込チラシに珍しく『木下大サーカス』のものがあって嬉しくなった。
鎌倉の湘南深沢駅そばに特設会場作り、12/19から公演開始。
おとなでも当日券3000円強。ちょっと気になるぞ。

大道芸はともかく、サーカスを観たことはないんです。
幼いころはいろんなサーカス団のポスターやチラシをよく目にした。
でも親にせがんだこともなく、行った友達を羨むこともなかった。

海外の童話・児童向け物語にはサーカスの場面がかなり多くて、
挿絵と物語とが混然一体となった異国の祭典めいた味わいには憧れた。
それと同時に『見世物』としての妖しさ・怪しさも感じてたものです。

60年代半ばにはまだ赤線の名残が各地に残っていたし、
復員兵の格好した傷痍軍人が社会鍋という募金集めもしていたし、
闇市引きずったような叩き売りの屋台、啖呵売、押し売りもいました。

親が子供を「曲馬団に売り飛ばすぞ」と脅すDVも日常茶飯事だった。
我が家の場合は「世間様にご迷惑かけるなら殺すぞ」という、
たいへん立派な教育方針が貫かれており、曲馬団という単語は聞かなかったなぁ。

孤児や捨て子、不具に知恵遅れ(失礼!)が集められた見世物集団という蔑視も。
シルクドソレイユみたいな「優れたアスリートの超人パフォーマンス」という
見方は存在せず、やはりサーカスには『妖』と『怪』があり、それも魅力。

藤田和日郎氏の名作『からくりサーカス』がヒットした理由の一つも、
この『妖』と『怪』、マイノリティの行う見世物としての矜持とペーソスを、
ストーリーに上手に織り込んだおかげではないか、とも思います。

精神的に戦後派なので、偏見は心のどこかに巣くってるわけですが、
いっぽう、児童文学の主人公たちがテントの隙間から覗いたような、
華やかでスリルとユーモアも溢れた、あのワクワクは体感してみたい。

応援する意味も兼ね、娘を誘って(いや、付き添いとして確保して)、
一度くらい見てもいいかな。間違いなく楽しめると思うし。
公演は12/19~来年3/13まで、真冬に観るサーカスの風情も好ましそう。




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