Nicotto Town



レコードプレーヤーは2台要らないのだが



昭和世代の男は音楽とオーディオ双方の洗礼を受けました。
70年代のオーディオ全盛期はシステムコンポーネントステレオが憧れの的。
ラックに収まる数十万のシステムとスピーカーをみな部屋に置いていた。

ターンテーブルにカートリッジ、チューナー、プリメインアンプ、
カセットかオープンリールデッキにレコードラック、
FMエアチェック用の録音タイマーなんてものもありましたねぇ。

80年代初頭からウォークマンとCDが普及し、軽薄短小のご時世となり、
現代のデジタルオーディオに繋がるコンパクトシステムに代わるわけです。
私は演る側にまわったのであまり投資してないけど、憧れはある。

さて国際情勢を鑑みて真空管アンプをひとまず諦めたワタクシ。
せっかくフォノイコライザ作ったし……プレーヤー、いいかもねぇ。
新品でメガネに適うのは5万以上するけど……中古なら、どうよ?

プレーヤーってのはグルグル回るターンテーブルと、
溝をトレースする針振動を電気信号に変換するカートリッジ、
カートリッジを支えるトーンアームの3つからできてる物体です。

今持ってる安物はフルオートでカートリッジの交換ができない。
アーム持ち上げ盤の上までもっていきリフターで下げるアクションが懐かしい。
別のカートリッジも使いたい。うーむ、一台買ってみようか。

レコード聴くのに重要なのはスピーカー>カートリッジ>アンプ。
音の出口と入口に金をかけるのが正しいオーディオ道だそうですが、
専用のリスニングルームでも作ってなければ、その差は微々たるもの。

でもプレーヤー欲しい。マニュアルで操作したい。
ジャズ喫茶のママや親爺がカウンターでレコードかける姿が甦る。
オレはアレを真似たいのだ。見てくれが大切なのだ(断言)。

DENON、パイオニア、トリオ等の中級マニュアル機を持ってたけど、
昔の職場の同僚の下へみな嫁に出し四半世紀経つ。元気かな。
アンプの代わりにプレーヤーを探し始めた。オークションもチェック。

ジャンク同然の古いものだと数千円でゴロゴロしてる。
できればダイレクトドライブ、リフターつき、回転数微調整可能、
ヘッドシェルとカートリッジもついてて、カバーつきで……。

はい、発注終了。重さなんと13Kg、古のオーディオは重いほど偉い。
針がダメなのは分かってるから代替針の新品を探したら……
プレーヤー落札価格の5倍以上! フザケンな、オレには別の策がある。

MM型カートリッジの新品、安いのは針つきで2000円しないんです。
某社のOEMの横流し品みたいだけど、音が出るなら文句はない。
しかも今使ってるプレーヤーと針が共通なのだ。どうだ。参ったか。

……イカン冷静になろう。逆上してるのには訳がありまして、
70年代初頭、ラジカセしか持ってなかった小学生の私が、
量販店のオーディオルームで羨望の眼差しを送ったうちの1台なのです。

ステレオにお年玉20年分くらいの価値があった時代の話です。
半世紀経ち手に入れるのも運命かもしれない。そんなわけないか。
御年47歳のジャンクプレーヤー、果たして動くのか。いざ勝負。







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