Nicotto Town



腹ふくるるわざなれば



言っておきたい、と考えるのは大竹世継や夏山繁樹、吉田兼好だけではない。
先日開発した、心清く正しき人には決して見えない電子インクを使い、
世界情勢に関する妄言をぶちまけておこう。以下余白です。余白ですからね。

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感染症というイベント、戦争というエンターテイメントを通し、
けっきょく明らかになったのは、人権思想という幻想の不毛である。
高度に社会的な知性体だと主張する人類の本質は変化しないという事実である。

戦争反対、反原発と非核化、多文化共生、エコに環境問題……
為政者に好きなように操られ、下らぬ理念やイデオロギーにかぶれ、
それが必然・正義・唯一の道と信じ込む連中にもはや何を言っても無駄だ。

為政者は常に必要である。社会はヒエラルキーの形成と維持を前提に運用される。
ヒトには3つの側面がある。個人、社会構成員、国家の一員。
3つの立場を高度に融合させ、利益最大化を目論み生を過ごす。

国際紛争を例にとる。なぜ一方に加担するかの答えは明白だ。
国民として、日本の国益の最大化を助けるために、
大国を非難し、戦場リポートに同情し憤激し、SNSで呟くのである。

この自覚無しに「正義と悪」の構図で紛争を理解する愚者の何と多いことか。
地下で数か月過ごす母親と幼子、粗末な布で覆われた市民の遺体を見ながら、
我々は菓子も頬張れ、スマホをいじれるし、鼻もほじれるのだ。

戦争をエンターテイメントとして脳内処理する術を私たちは身につけた。
朝鮮、キューバ、ベトナム、カンボジア、中東、南アフリカ、アフガン、
フォークランド、イランイラク、ビンラディン……楽しかったのだろ?

再び問う。楽しかったのだろ? 躊躇せず否と答える者はおるまい。
911然り、地下鉄サリンや阪神淡路、福島も然りである。
災害もエンターテイメントなんだよ。愉快だっただろ。懐かしいだろ?

冷酷な認識に立ったうえで利益最大化の問題に戻る。
国をどちらに向けたいかを考えず、国の向いている方向を見るのだ。
これもまた幻想の平和主義・民主主義を標榜する国の民としての責務である。

デモクラシーが本質的に日本に向いていないという論調がまた出てきた。
だが似非・疑似デモクラシー国家である利点は明白であり、それは、
米国の属国として文化経済という実利の最大化を図った成果の享受である。

政治・企業の腐敗という単語で憤激する馬鹿を見るたび頭痛がする。
腐敗とはよそ者排除、馴れ合い、利益の寡占と継承を指すようだが、
これは成熟というものだ。バカは成熟に縁がないので、これが分からない。

談合という文化にどれだけの叡智と努力が注がれたか、
どれだけ多くの民が恩恵を享受したのか、調査すればよい。
接待、賄賂、リベートも非難するのか? 貰う側ではないからだろう。

ムラ風土の強みを生かしてこそ、この国は輝く。
ムラなればこそ、ジジババに最初にワクチンを無償で打たせたのだ。
なぜ保険外で希望者にだけ打たせないのか、と未だに思うのだが。

国際情勢への反応に戻る。ここ数か月で一番嬉しかった知らせは、
ロシアとのサケマス交渉が妥結したことである。
この一事からも、あの国が正気であることは明らかである。

大ロシア幻想にとらわれた狂人に率いられ、言論を弾圧する覇権国家、
そう見せたいのは旧西側の米英仏ほか数か国に過ぎない。
特に中間選挙を控えた米国の指導者はこれ以外ポイントを稼げないのだし。

お笑い芸人を自らの代表とした国の姿勢を褒め讃えるのも同様だ。
男は残って戦えと呼びかけた一点において万死に値するであろうに。
小型戦術核を使い無条件降伏させたくなるのは人情というものだ。

この芸人はSNSが誠に上手く、それにホイホイ乗る白痴が後を絶たない。
現地の日本人UNHCR職員やNPO幹部がコメントを求められると、
異口同音に「同情するより金を送れ」と安達祐実化したのもその影響だ。

どちらの肩を持つ気もない。メシ喰いながら眺めるだけで十分だ。
おかげで国防に国民の意識が向かい、保守右派論客は大喜びである。
本質はそこにはない。中国もロシアも北朝鮮も、全て二次的な問題だ。

米国の属国。追従国として軍事力に依存してきたこの体制を、
今後も続けるのか、方針を変え訣別すら辞さない国を目指すのか。
この選択で我々は前者を選び、後者を断固排除しなければならない。

平和主義とは無縁の利益最大化であり、風土文化を遺す唯一の道である。
世代別人口構成比の問題も関連性は高いので触れておこう。
年金制度と国民皆保険を捨ててでも、現在の民族性を維持すべきである。

少子高齢化と多様化国際化が同列で論じられるのは危険極まりない。
私は民族主義者ではないが、ゆるやかな文化的統一の裏にある、
いいかげんであいまいな日本というものの維持が今後も国益に繋がると考える。

不法入国や難民移民に対し、この国が世界水準より遅れていると指摘し、
改善を求める識者がいるが、売国奴、卑しい商売人の一種である。
単一民族、大和民族なんてものは虚偽だ。だが譲れぬ部分もあるのだ。

戦後の日本人を戯画化した漫画は各国で流行した。
感情を表さぬ細い目、あいまいな笑み、無暗にへりくだり、
どこにでも顔を出し威厳も主張もなく、最終決定は曖昧……これこそ日本だ。

異文化や風習を敬して深入りせず遠ざける。敵を作らぬよう狡猾に振舞う。
個人の意思や決定は不要、ムラ社会に持ち帰り上級者にご判断を仰ぐ。
あいまいさはアジアでも稀有な、高度なコミュニケーション能力だ。

肝心な国の向きは誰が決めているのか。与党か? 自民党か?
寝ぼけたことを言わないでいただきたい。自民の支持基盤は何か?
戦前から連綿と続くこの国のあいまいな企業人と地域の有力者である。

高齢者が頼るNHKと全国紙を糾弾しない者はいない。
愛読者に聞き給え。なぜ見るのか、読むのかと。
皆「国や既存勢力が国民をどちらに向かせたいのか知るためだ」と答えよう。

報道に事実も真実も存在しないことを戦前派は体で知っている。
子供世代もマスメディアを決して信用しない。利用するのだ。
自己保全と警戒のための保険として、受信料と購読料を払い続けるだろう。

我が国に人権なるものは存在しない。オカミのお情けに縋るのだ。
近年はお情けへの縋り方が高圧的で居丈高になった。恥ずべき欧米化だ。
上つ方の顔色を気にせず生きたい者は、自らが上つ方になればよい。

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世継と繁樹は惨事や悲劇を語り、兼好は風情と情趣と滑稽を語った。
詠嘆的無常と、普遍的無常の違いですね。私は後者の信奉者。
大きな余白への苦情は……仕方ない、受けつけましょう。




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